教育セミナー2「これからの線量管理と医療情報システムの活用」 |
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日時 | 平成26年11月1日(土) 14時40分〜16時00分 |
会場 | 名古屋国際会議場(第7回中部放射線医療技術学術大会内 第1会場) |
概要 | 患者さんの撮影線量の記録は撮影条件が照射録として保管されてきました。オーダリングシステムや電子カルテの導入に伴い照射録も電子化され、放射線情報システムと撮影装置の連携技術によって実際の撮影条件が自動記録され、近年では撮影条件から患者被曝線量を推定し、記録することも可能となってきています。 最近では、DICOMの技術を利用した個人医療被曝線量管理システムが登場し、今後の被曝管理が着目されてきている状況です。これらの技術について演者の先生方に、被曝線量管理の意義やシステム対応状況などを学ぶ機会を設けたいと考えています。 |
結 果 報 告 |
参加人数 | 80名 |
コメント | 「線量管理の現状と課題」について名古屋第二赤十字病院の有賀英司先生、「被曝線量管理システムを活用し、診療放射線技師は誰に何を伝えるべきなのか〜Dose-SRに対応した被曝線量管理システムの設計と実装〜」について大阪大学大学院の山本勇一郎先生のお二方にご講演いただきました。 有賀先生のご講演では、撮影装置‐放射線部門システム間において、DICOM‐MPPSによる被曝線量管理が可能となりつつあるとご報告されたが、撮影装置ごとに被曝線量の単位など出力される情報に違いがあるため、出力された被曝線量について変換ツールを利用して格納していく必要があることが提示された。また、被曝線量管理を行う人員のスキル、線量計測機器およびシステム導入におけるコストなど課題が挙げられた。 山本先生のご講演では、有賀先生の課題が引き継がれ、現時点での技術、製品、技師が取り組むことについてお話しがあった。技術、製品部分については、世界的に広がっているDICOM−DoseSR規格の採用が進み、被曝線量管理システムが導入されてきており、日本の製品群もこれらを取り入れる方向となってきている。しかしながら、各施設において製品導入などが進まない現状があり、「被曝線量管理の目的と受益者を整理・明確化すること」が技師にとって重要課題であるともお話しがあった。 会場内からも様々な質問が挙がり、被曝管理システムの導入には、学会等からのサポートも重要との意見もあり、日本放射線技術学会においても重要であることを再認識させられた。 医師と患者の間にいる診療放射線技師は、最適な被曝線量で撮影業務を行っていることについて説明責任が問われる時代となる可能性は高く、検査目的、検査項目に関する被曝線量情報の収集解析に加え、画質評価情報も踏まえた撮影条件の最適化など被曝線量管理の重要性が問われることが考えられ、本セミナーは診療放射線技師において胸襟を正す機会になったと思われる。 |
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