演題抄録

11月23日(日) 第1会場

セッション1 MR1 1〜6 11:00〜12:00
座長:福井大学医学部附属病院 藤原 康博

【1】fl3D-Dynamic撮影法を用いた乳腺MRI両側撮像の検討

○ 伊藤 光代、古市 孝
豊川市民病院 放射線科

【目的】当院ではこれまで乳腺MRI撮像は検側sagittal-Dynamic撮像を中心に時間分解能を優先に撮像してきたが、当院機種で可能な両側/高分解能撮像を行い、その有用性について検討する。
【使用装置】Siemens社製Synphony 1.5T Brest coil
【撮像方法】非検側より血管確保し、両手を下げた状態で腹臥位
      両側axial、fl3D-Dynamic/1mm厚撮像
【検討方法】fl3Dによる原画像・MPR・MIP画像から読み取れる主病変について(1)大きさ、(2)形状、(3)分布、(4)乳管内進展、について視覚的に評価した。
【結果】主病変について検討事項の認識は良好であった。MPR・MIP画像においても読影には支障なかった。
【考察】高分解能撮像は病変部の造影される様子を細部にわたり鮮明に表現できる為、視覚的に乳管内進展など微細な情報を認識しやすくなった。また非検側挙上体位から両手を下げたポジショニングに変更した為、苦痛が軽減された。

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【2】RVS(Real-time Virtual Sonography)への応用を視野に入れた乳腺MRIの仰臥位追加撮像の検討

○ 工藤亜沙美、桑山真紀、今泉康弘、玉木繁、佐野幹夫
医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院

【目的】当院では乳癌患者の術前検査として拡がり診断等を目的に造影3DCTとともに乳腺ダイナミックMRI(以下MRM)を行っている。RVSはUS像に一致した任意断面のCTやMRIのMPRを表示するシステムで濃染部を検証するsecond look USとして有用であるが、MRMは腹臥位で撮像を行っているため仰臥位で行うRVSとの位置関係に相違を生じる。
今回、MRMで仰臥位撮像を追加することでRVSに応用できる画像を得ることが可能かを検討した。
【方法】腹臥位撮像後引き続いて仰臥位撮像を行い、検査時間を測定した。また得られた仰臥位撮像画像について視覚評価した。
【結果】造影剤注入開始から仰臥位撮像まで平均約20分であり、仰臥位にて得られた画像でも濃染部は同定できた。
【考察】MRMにおいて腹臥位撮像後に仰臥位撮像を追加することは、患者負担も少なく1検査での情報量を増やせるため、RVSを行う際の有用性が期待される。

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【3】Gd-EOB-DTPAを使用した肝臓検査における3D-VIBE法のフリップ角の検討

○ 畑井 博晶、 寺部 充昭、 市川 肇、 平田 政和、 三浦 俊一
牧野 哲三
豊橋市民病院 放射線技術室

【背景および目的】Gd-EOB-DTPAを使用した肝臓検査では高速、高分解能、多断面の検査パラメータが求められる一方、Gdの含有量が少なく特に造影早期相で造影能力に難点があるとされている。そこで、3D-VIBE法で良好な造影コントラストが得られるフリップ角を検討する。
【方法】正常肝を想定したファントムと造影早期相を想定した各種希釈溶液とを作成し、フリップ角を変化させたときの画像コントラストから撮像条件を比較検討した。
【結果】正常肝ファントムと造影剤希釈溶液のコントラストはフリップ角30度付近で高くなったが、希釈液の濃度依存性も認めた。また、正常肝ファントムの信号値はフリップ角10度付近で高くなった。
【考察】Gd-EOB-DTPAを使用した肝臓検査では肝実質の信号は低下するものの、フリップ角を高くした方が造影動態をより反映すると考えた。

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【4】被写体周辺環境の変化による腹部拡散強調画像の歪みに関する検討

○ 村松典明、 大川宏人、 塩田泰生、 古宮泰三
静岡県立静岡がんセンター

【目的】拡散強調画像は、空気との隣接組織周辺において画像の歪みを生じる。今回我々は、撮像時の被写体周辺環境を変化させ、腹部拡散強調画像の歪みの変化について検討した。
【方法】PhilipsGyroscanINTERA1.5T を使用した。被写体としてNEMA基準MRIファントムを使用し、当院腹部DWI プロトコルにて撮像した。被写体周辺環境を変化させるために、米を充満させた袋をファントム周辺に配置し撮像を行った。米の配置を変え、歪みの変化を比較検討した。
【結果】米を充満させた袋をファントムの周辺に配置させることで歪みが変化した。ファントム周辺全域に配置したときに最も歪みの変化が見られた。
【考察】ファントム周辺環境が米の配置により変化した。ファントムに隣接する空気の割合が低減し、磁化率の影響を受けたと考えられる。

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【5】FRFSE法を用いた胸管の描出の経験

○ 西山大輔、佐川肇、藤井昭太、 鈴木正行1)、 松原孝祐1)
河原和博2)、 松浦幸広2)
金沢大学医学部保健学科
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻1)
金沢大学附属病院放射線部2)

【目的】FRFSE法による呼吸同期三次元矢状断ヘビーT2撮像を行い、胸管の描出能について検討を行った。
【対象及び方法】対象5名に対し、胸部T2像を撮像し、そのデータをパソコンに取り込み、AZE社製ソフトを使用して、まず横断像で周囲との位置関係を同定し、矢状断像で半値幅を用いて胸管の前後径の計測を行った。更にMIPやVRなどの3D像を作成し、描出能に関する視覚的評価を行った。
【結果及び考察】FRFSE法により胸管は連続した高信号の線状構造として全例で明瞭に描出された。胸管の前後径には大きな個人差は見られず、約3mmであった。MIPやVRでは一部を除きほぼ全体が良好に描出された。ヘビーT2像による胸管の描出は約3分という短時間で容易に撮像を行うことができ、臨床的応用としては食道癌などの外科手術の術前画像支援、術後経過の観察に有用であると考えられる。

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【6】3TMRI装置におけるchemical shift artifact軽減についての検討

○ 松下浩基、 寺田理希、 大杉正典、 井上和康、 安澤千奈
今村佐和子、 安間武
磐田市立総合病院 放射線技術科

【目的】3TMRI装置では,1.5TMRI装置と比較してchemical shift artifactが大きくなってしまうというデメリットがある.その対策についての検討を行う.
【方法】3TMRI装置と1.5TMRI装置を用いてバンド幅(BW)を変えてファントム(生理食塩水,オリーブオイルにて作成)を撮像し,chemical shift artifact,SNRについて検討する.
【結果】【考察】3TMRI装置では,1.5TMRI装置と同条件で撮像した場合,chemical shift artifactが大きくなってしまう.その対策として,BWを大きく設定することが挙げられるが,BWとSNRはトレードオフの関係にあるため必然的にSNRが悪くなる.しかし,3TMRI装置の高いSNRによりそれを補うことができ,chemical shift artifactの小さい良好な画像を得ることができた.

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セッション2 MR2 7〜13 13:20〜14:30
座長:磐田市立総合病院 寺田 理希 

【7】SIEMENS MAGNETOM Avantoコイルシステムの基礎的検討

○ 藤本 勝明、花崎 祐次、石崎 宗一郎、安田 江梨子、松井 幹夫
二谷 立介1)
富山県済生会富山病院 放射線技術科
富山県済生会富山病院 放射線科1)

【目的】
(1)Matrix Coil modeの違いによるSNRの評価
(2)Coil Combine modeの違いによるSNRの評価
(3)Elliptical Filterの有無によるSNRの評価
(4)PAT modeの違いによるSNRと展開アーチファクトの評価
(5)感度補正 Filterの違いによる均一性の評価
【方法】
(1)〜(4)は、連続撮影法にて検討をおこなった。
(5)は、区分法及びgray scale mapにて検討をおこなった。
【結果/考察】
SNRは、(1)Triple mode、(2)ACC、(3)Elliptical Filter有り、(4)mSENCE、で高くなった。展開アーチファクトは、(4)GRAPPAで少なかった。均一度は、(5)Prescan Normalize Filterで高くなった。SNR、展開アーチファクト、均一性についての詳細な分布を数的、視覚的に評価する事ができた。

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【8】脳外科低磁場術中MRIにおける歪みの評価

○ 木村 美由紀、 渡辺 洋平1)、 小原 陽子3)、 八杉 幸浩3)
津坂 昌利、 藤井 正純2)、 若林 俊彦2)
名古屋大学 医学部保健学科 放射線技術科学専攻
名古屋大学大学院 医学系研究科 医療技術学専攻1)
名古屋大学大学院 医学系研究科 脳神経外科2)
日立メディコ3)

【目的】名古屋大学医学部附属病院では、術中MRIを備えた手術室を導入し,2007年末までに70症例の術中MRIとナビゲーションシステムを併用した高度な画像誘導手術を行った。
より正確な画像誘導手術を行うためにもMRI特有の歪みの問題は解決する必要がある。よって今回我々は、術中MRIを用いて歪みの基礎的検討を行ったので報告する。
【方法】格子ファントムを頭部用コイルに設置し、高磁場MRIと術中MRIで撮像した。ファントムの設置位置は、コイル中心部、コイル上部(頭頂側)、コイル下部(足側)とした。得られた画像から、中心付近、周辺部の歪みを計測した。
【結果】高磁場・術中MRIともに周辺部、コイルの上下部で歪みが大きくなっている。
【考察】今回はファントムでの検討であったが、実際の手術は特有の環境で行うため、更に悪条件でのMRI撮像となる。今後はこれらを考慮した歪みの検討をしてく必要がある。

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【9】最大注視時における外眼筋と視神経の変化:MRIによる観察

○ 藤井昭太、 佐川肇、 西山大輔、 河原和博1)、 松浦幸広1)
鈴木正行2)、 松原孝祐2)
金沢大学医学部保健学科
金沢大学付属病院放射線部1)
金沢大学医学系研究科保健学専攻2)

【目的】注視に伴う外眼筋と視神経の位置変化をMRIを用いて観察する.
【方法】対象5名の眼窩領域を1.5T MRIで撮像し横断像2Dと冠状断3Dの T1強調画像(GRE法)を得た.得られた画像から外眼筋と視神経を同定し,最大注視時の外眼筋の長さと厚さ,視神経の角度変化を測定した.
【結果】両眼とも当該の眼球運動に関与する外眼筋の収縮が見られた.視神経は,寄り眼時以外において両眼とも注視した方向と反対側に移動した.寄り眼時では5人の両眼とも頭または足方向と側方向両方への移動が見られた.
【考察】MRIを用いることでX線CTに比べ被曝なく検査を行うことができ,眼球運動や視神経の運動障害を診断できる可能性が示唆された.

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【10】1.5T MRI装置による神経メラニンイメージング

○ 佐川肇、西山大輔、藤井昭太、 川原和博1)、 松浦幸広1)
鈴木正行2)、 松原孝祐2)
金沢大学保健学科
金沢大学付属病院放射線部1)
金沢大学医学系研究科保健学専攻2)

【目的】1.5T装置でも神経メラニンイメージング(NMI)が可能であると報告されている。今回、報告されたシーケンスを参考にして1.5T NMIを行い、その描出能を検討する。
【対象及び方法】健常ボランティア5名の頭部を1.5T MRIを用いて撮像し、得られた画像を視覚的及び定量的に評価した。ついで、3T装置を用い、1.5T NMIの描出能を確認し、同時に定量的評価も追加した。
【結果及び考察】1.5Tでは全例、黒質メラニンは確認できたが、1例では青斑核メラニンを確認できず、定量的にもコントラスト差がなかった。一方、確認のために行った3Tでは全例で黒質・青斑核メラニンを同定することができた。さらに、定量的にも1.5Tより有意にコントラスト差があった。
【結論】1.5T装置でもNMIが可能であるが、明瞭性に劣る。

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【11】VSRADにおけるT1FLAIR法と従来法との比較検討

○ 香林 和幸、庄田 隆志、小林 雅代、徳山 博晃
芳珠記念病院 画像診断センター

【目的】早期アルツハイマー型認知症の診断支援として使われている画像統計解析ソフトVSRADでは従来3D-T1強調画像(3D-FSPGR)をもとに解析される。今回我々はより灰白質と白質のコントラストを強調させた2D-FLAIR法(2D-T1FLAIR法)で撮像された画像を用いて解析し、解析結果を比較検討したのでその結果を報告する。
【方法】当院に認知症疑いで来られた30名の患者に対し3D-FSPGR法と2D-T1FLAIR法の2通り撮像しVSRAD解析を行った。
【結果】2D-T1FLAIR法の画像で解析された算出された値は3D-FSPGR法の値より若干高めに算出されるがそれぞれ相関関係が見られた。
【考察】VSRAD解析に2D-T1FLAIR法で撮像した画像を用いても従来法と相関関係のある結果が算出された。しかし明らかに解析結果が異常値なものもあり現状では更なる検討が必要だと思われる。

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【12】頚部Direct DWIの撮像条件の検討

○ 嶋 剛、鎧 和彦、瀬川総一、池田孝徳
市立砺波総合病院放射線技術科

【目的】当院では頸軟部検査時に病変の広がり確認、多発の見落とし防止、左右差比較などを目的に拡散強調像(DWI)を冠状断で撮像している。今回脂肪抑制にSTIR法を用いたDWIが共同研究目的でサポートされたので撮像条件の検討を行った。
【方法】同意を得たボランティアにて、Matrixb値、FOV、nexを変化させ、背景の抑制、画像の歪み、S/Nを視覚的評価した。
【結果】b値は300s/mm2FOVは36cmMatrixは周波数方向64、位相方向192が歪み、空間分解能ともに最適であった。
以上の条件でS/N、撮像時間を考慮し加算回数は7nexが最適であった。
【考察】冠状断でのDWI撮像はEPIファクターを下げる手段が限られ歪みの大きい画像になりやすいが今回検討した条件で観察に耐えうる画像が得られた。

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【13】肩疾患におけるRadial Scanの有用性

○ 山崎 厳、 山本 理沙、 田泉 智明、 平口 博之、 木船 孝一
朝田 尚宏1)
福井県 市立敦賀病院 放射線科
福井県 市立敦賀病院 整形外科1)

【目的】多岐に渡る病態・症状が存在する肩関節において原因診断をより早くに確定する一助になることを期待する
【方法】関節唇に適したシーケンスを探すために幾つか肩関節のRadial Scanを試し比較した。その画像から特異性と有用性を検討し従来の像と比較・検討した
【結果】関節唇にはT2*WIが適していた。中でもクロストークの問題があり3Dや一枚切りなども考慮したが組織コントラストと撮影時間の問題で結果2Dに落ち着いた。従来のものと比較すると関節唇の断面の評価が可能なことはもちろんpagingでは関節唇を追っていくように観察できるため損傷の程度・形状がこれまでよりも細かい所まで評価できた
【考察】肩周辺において理学症状・各種テストからの診断は確立されたものであり病名をつけるには十分な存在である。しかしそこで損傷状態を細かに把握できることでさらに一歩進み関節鏡視下での手術などに早期にたどり着ける一助になると思われた。

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11月23日(日) 第2会場

セッション3 画像1・CAD 14〜19 11:00〜12:00
座長:金沢大学医学部附属病院放射線部 林 則夫

【14】診療放射線技師教育及びコンピュータ支援診断システム開発を目的とした胸部CT画像データベース構築に関する検討

○ 峰広 香織、林 則夫、作田 啓太、鈴木 正行1)、真田 茂1)
山本 友行
金沢大学附属病院 放射線部
金沢大学大学院 医学系研究科1)

【目的】我々は診療放射線技師を対象としたコンピュータ支援診断システムの開発及び技師教育支援システムの開発を行っている.今回は臨床で得られた胸部CT画像を対象に,データベースを構築し,技師の感度の比較を行う.
【方法】本院で胸部CT画像検査が施行された106名(男48名,女58名,平均63.8歳)を対象とした.放射線科医により106名を結節(Solid,GGO,Mixed-GGO),索状/線状,スリガラス影,網状影,浸潤影,斑状影,粒状影,正常の10パターンに分類,かつ,肉芽腫,新生物,炎症後,間質性肺炎,肺炎,正常の6パターンの診断分類も行った.その結果を正解とし,同じ方法で経験年数の違う技師2名に観察実験を行った.
【結果・考察】経験年数の違いにより,感度に大きな差が出た.しかし,淡く小さいGGOや気管支間に存在する結節については経験年数が長くても見落とした.今後は2人の技師が見落とした画像をパターンごとに解析する必要がある.

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【15】胸部CT像における孤立性結節陰影の検出〜MIP像を利用した3次元結節強調フィルタの高速化〜

○ 寺本篤司、 津坂昌利1)、 原武史2)、 藤田広志2)
藤田保健衛生大学 医療科学部 放射線学科
名古屋大学 医学部 保健学科放射線技術科学専攻1)
岐阜大学大学院 医学系研究科 再生医科学専攻 知能イメージ情報分野1)

【目的】これまでに胸部CT像から孤立性結節陰影を強調することを目的とした2次元および3次元フィルタが提案されている。2次元手法は血管の過剰検出が多い問題がある。また3次元的手法は血管の過剰検出が大幅に軽減されるが、処理コストが膨大であり処理時間が課題となっていた。そこで本発表では3次元処理をより短時間で処理するため、MIP像を利用した高速化手法を提案する。
【方法】本手法では3次元CT像をX−Y方向の結節探索範囲と同じ幅で体軸方向にスラブMIPした像と、MIP領域両端に位置する2枚のスライス像を利用する。強調フィルタは山本らにより開発されたQuoitフィルタをベースとしており、MIP像に対するQuoitフィルタ処理像にスラブ幅両端の2枚の画像情報を加味することで血管部の過剰検出を抑制する。
【結果および考察】検証の結果、検出能力を保ちながら演算コストが約1/5となり、大幅な高速化が達成された。

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【16】胸部CT像における孤立性結節陰影の検出〜LIDC画像を用いた一次検出処理の比較〜

○ 武藤綾花、 松崎創、 寺本篤司、 津坂昌利1)、 原武史2)
藤田広志2)
藤田保健衛生大学 医療科学部 放射線学科
名古屋大学 医学部 保健学科 放射線技術科学専攻1)
岐阜大学大学院 医学系研究科 再生医科学専攻 知能イメージ情報分野2)

【目的】胸部CT画像に対する孤立性結節陰影の検出処理をLIDCの公開画像に適用し、一次検出手法の比較を行う。
【方法】LIDCのデータベースより孤立性結節陰影を含む胸部CT画像を入手した。今回は138症例を一次検出の対象とし、結節陰影のサイズ、及び結節の輪郭から求めた重心位置におけるCT値によって症例を分類した。結節陰影の強調処理には2D3D Quoitフィルタを使用し、肺野領域が抽出されたスライス像、MIP像、ボリュームデータに対して処理を行った。強調処理後の画像を2値化して結節陰影の一次検出を行った。次に検出パラメータを変更して各々のFROC曲線を作成し、一次検出処理の性能について比較評価を行った。
【結果および考察】周囲に血管等が存在しない高CT値の結節については良好な検出結果が得られたが、すりガラス状陰影などの低CT値の結節では感度低下が認められた。

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【17】精度管理プログラムを用いたナビゲーションのQA(Quality Assurance)

○ 渡辺洋平、林雄一郎1)、 津坂昌利2)、 藤井正純、 木村美由紀2)
若林芳彦
名古屋大学大学院医学系研究科
名古屋大学大学院情報科学研究科1)
名古屋大学医学部保健学科2)

【目的】画像誘導手術とは,手術ナビゲーションと呼ばれ,MRやCTなどの画像を取得し,病変や正常組織を術者に視覚的に知らせるシステムである.第64回総会学術大会で画像誘導手術におけるQAの有用性について報告したが,現行の測定法は測定に時間を要し,客観性に欠ける.そこで精度管理プログラムを作成し,問題を改善した.
【方法】ファントムにマーカ(MRIで描出可能)を20点設置し,撮像した.得られた画像をもとにナビゲーションを行い,マーカ画像をナビゲーション装置に取り込んだ.画像は精度管理ソフトにて(1)エッジ検出(2)テンプレートマッチング(3)精度算出を行い,現行の方法と精度,時間について比較した.
【結果】現行の測定法と精度に差異は見られなかった.また,精度算出に要する時間は大幅に短縮された.
【考察】ナビゲーションは高精度が要求される為,QAが必要である.今後は精度管理プログラムを用いてナビゲーションのQAを行っていく.

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【18】画像誘導手術におけるre-registrationの有用性

○ 渡辺洋平、 藤井正純、 津坂昌利1)、 木村美由紀1)、 若林芳彦
名古屋大学大学院医学系研究科
名古屋大学医学部保健学科1)

【目的】画像誘導手術は,画像ガイド下で病変や正常組織を視覚的に知らせるシステムであり,レジストレーションが必須である.レジストレーションとは実際の被験者と画像上の位置情報とを対応付ける操作で,術直前と術中に行われる.今回は術中のレジストレーション法について検討を行った.
【方法】被験者は5名とし,名古屋大学医学部倫理委員会の許可(8-304)を得て計測を行った.術中のレジストレーション法は,(1)術前、術中画像の重ね合わせ(fusion) を行う事で脳の位置を補正する(restore registration) (2)コイルに取り付ける周辺機器を用いて脳の位置とレジストレーション情報を更新する(re-registration) があり,両者の精度を比較した.
【結果】re-registrationはrestore registrationよりも高精度であった.
【考察】re-registrationによって,位置情報だけでなく,レジストレーション情報も更新する事によって精度が改善する事が確認された.

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【19】画像誘導手術におけるレジストレーション法の検討

○ 村井康史、 渡辺洋平1)、 津坂昌利、 藤井正純2)、 若林俊彦2)
名古屋大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
名古屋大学大学院医学系研究科1)
名古屋大学医学部附属病院脳神経外科2)

【目的】画像誘導手術とはMR画像等をガイド下に病巣までのナビゲーションを行う方法である。その方法や体系は尚模索中であり、レジストレーション法は施設で異なる。レジストレーションとは、画像と実際の位置座標を対応づける操作で、皮膚へマーカを設置する、解剖学的部位を基準にするという二種類の方法がある。双方一長一短があり、それらを改善する為に双方を統合したハイブリットモデルを考案し、比較を行ったので報告する。
【方法】ポリスチレン頭部ファントムを水で満たし、T1撮像した。その画像を基にマーカ、解剖学的位置、ハイブリットにてレジストレーションを行い、各々30点のレジストレーション精度(TRE)を測定した。
【結果】TREに差が生じ、マーカ、ハイブリット、解剖学的位置とTREは増加した。
【考察】形状や貼付度合い等、マーカの特性に起因した誤差が生じたと考えられる。実際の患者で生じる要因については、今後検討する必要がある。

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セッション4 画像2 20〜25 13:20〜14:20
座長:名古屋第二赤十字病院医療技術部放射線科 真野 晃浩

【20】大垣市民病院におけるレーザーフィルムデジタイザの使用経験 〜紹介用フィルムの画像サーバ入力件数および枚数の推移〜

○ 加藤 勲、鶴田 初男、遠藤 斗紀雄、高木 等、野田 孝浩
竹中 和幸、高田 賢、川島 望、後藤 竜也
大垣市民病院 医療技術部 診療検査科 外来放射線室

【目的および方法】当院では、2006年1月の医療情報総合システム導入に伴いモニタ診断へと移行し、同年3月より他院からの紹介用フィルムはレーザーフィルムデジタイザ(アレイ株式会社製)を用いて画像サーバにDICOM保存している。今回我々は、紹介用フィルムの入力件数および枚数の月別推移を調べ、入力業務の現状と今後の課題について報告する。
【結果】入力業務は、導入当初20件(120枚)/月程度であったが、最初の7ヶ月間で急増し、その後200件(1000枚)/月前後で推移している。2008年6月に当院のPET-CTが稼働し、20件/月程度あったPETの入力件数が、現在では1〜2件/月と激減したが、入力業務の大多数を占める一般撮影・CTの入力件数は現在も増加傾向にある。

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【21】大垣市民病院におけるレーザーフィルムデジタイザの使用経験〜デジタイザの入出力特性について〜

○ 後藤 竜也、鶴田 初男、 遠藤 斗紀雄、 高木 等、 野田 孝浩
竹中 和幸、 高田 賢、 川島 望、 加藤 勲
大垣市民病院 医療技術部 診療検査科 外来放射線室

【目的及び方法】当院では、2006年3月より他院からの紹介用フィルムはレーザーフィルムデジタイザ(アレイ株式会社製)を用いて画像サーバにDICOM保存している。最近CD-R等の媒体による紹介もあるが、依然としてフィルムでの紹介は減少していないのが現状である。今回我々は、テストフィルムを様々な条件でスキャンし、そのスキャン画像を解析ソフトを用いて濃度測定した値と実測値とを比較することにより、デジタイザの入出力特性と、その精度を検討し、今後の精度管理について報告する。
【結果】入力モードや読取ピッチ・飽和濃度値の条件を変化させても、入出力特性は不変であったが、テストフィルムの濃度3.0を超える高濃度部において、若干低い濃度値(0.2〜0.3)を示す傾向がみられた。またキャリブレーション直後に比し2週間後では濃度値の変動(0.5〜2%)がみられた。

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【22】線質によるNPS測定誤差の検討

○ 西脇 祐太、國友 博史、東出 了、川野 誠
名古屋市立大学病院 中央放射線部

【目的】ノイズパワースペクトル(以下,NPS)を評価する際、線質や露光量によってNPSが変化する.これまでは装置間や施設間でNPSを評価する場合、基準となる線質などが不明確であったが、IEC62220-1(以下,IEC法)によりDQEの評価方法が標準化されたため,測定項目であるNPSの評価も容易となった.今回、IEC法にて推奨されているRQA5を基準として線質の違いがNPSに及ぼす影響について検討した。
【方法】RQA5を基準として70kVから74kVまで管電圧にて線質を変化させ、半価層(HVL)とNPSを測定した。また,RQA5となる線質を求めるために,管電圧による設定とフィルタによる設定の違いによるNPSの比較を行った.
【結果】今回の結果からRQA5付近の線質では、線質によるNPSの有意差はみられなかった。

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【23】直接変換型及び間接変換型FPDにおける画質特性及び視覚評価

○ 横井知洋、市川勝弘1)、 岩田裕太2)、 中垣内雅弥2)、 森岡祐輔2)
渡辺翔太2)
金沢大学大学院医学系研究科
金沢大学医薬保健研究域保健学系1)
金沢大学医学部保健学科2)

【目的】直接変換型Flat Panel Detector(FPD)(島津メディカルシステム)及び間接変換型FPD(シーメンスメディカルシステム)における画質特性(特性曲線、MTF、WS、SNR)を線質を変化させて測定し,併せてバーガーファントムによる視覚評価を行った。
【方法】IECにて定められるRQA3(50kV)及びRQA5(70kV)の線質を用い、MTFはエッジ法で測定した。WSは照射線量を変化させ一様曝射した画像データより測定した。SNRはMTF(u)2/WS(u)から求めた。視覚評価にはバーガーファントムを撮影し、観察者5名の結果を測定した。
【結果】MTFについては直接変換型の方が明らかに良く、WSは間接変換型の方が良く、線質による違いが見られた。SNRは、RQA3は高周波で直接変換型が良く、RQA5は低周波で間接変換型が優れた。視覚評価はSNRの結果と良く一致した。

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【24】高分解能FPDの画質に関する物理的評価

○ 松崎創、 武藤綾花、 寺本篤司、 津坂昌利1)、 藤田広志2)
藤田保健衛生大学 医療科学部 放射線学科
名古屋大学 医学部 保健学科放射線技術科学専攻1)
岐阜大学大学院 医学系研究科 再生医科学専攻 知能イメージ情報分野2)

【目的】FPD(フラットパネルディテクタ)は、現在、デジタル化の促進によって臨床の現場において広く普及してきており、今後はその高分解能化が進むと予想される。本研究では歯科用、工業用として開発された画素ピッチ50μmの高分解能FPDに注目し、実験用撮像システムを構築した。また、デジタル系の画質評価の指標であるDQEを求めるのに必要なプリサンプルドMTF(以下MTF)等の物理評価項目を少ない手作業で算出することができるプログラムを開発し、高分解能FPDの物理評価を行った。
【方法】MTFの測定に関しては、低空間周波数の応答に優れているエッジ法を用いた。エッジ像を撮像した画像を取り込み、そのデジタル値からESF、LSFを経てMTFを算出するプログラムを作成し、その評価を行った。
【結果および考察】評価の結果、高分解能FPDは現在の医療用FPDに比べて良好な結果が得られた。

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【25】肩関節X線動態検査法を用いた異常症例の関節機能評価

○ 作田 啓太、真田 茂1)、北岡 克彦2)、松井 武司、林 則夫
峰広 香織、山本 友行
金沢大学附属病院放射線部
金沢大学医薬保健学域1)
金沢大学附属病院整形外科2)

【目的】われわれは肩関節X線動態撮影法及び定量解析法を開発している. これまで,正常症例における撮影方法及び解析結果について報告してきた.今回は異常症例に対して評価したので報告する.
【方法】島津社製透視装置を用い投影像が肩関節正面像となるように被検者を30度傾け,腕の外転・内転運動を行わせて撮影した.各画像において,Arm-angle,Glenohumeral-angle(G),Scapulothoracic-angle(S)を求めた.また,G-angleとS-angleの比における経時的変化量を求めた.
【結果および考察】前据筋麻痺,習慣性肩関節脱臼,胸郭出口症候群などの疑いがある症例に対して本検査法を行ない,整形外科学的に有用な結果が得られた.今回の結果より,本検査法は動きにより異常が発生する肩関節疾患に対して有用であると考える.

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11月23日(日) 第3会場

セッション5 超音波・その他 26〜31 11:00〜12:00
座長:高村病院 江端 清和

【26】Real-time Virtual Sonography(RVS)を用いてTAE後経皮的RFAを施行した肝細胞癌症例の検討  〜RVSの更なる発展に期待して〜

○ 前田 佳彦、水口 仁、齋田 善也、椙村 友貴、木村 友哉
西崎 まや、河野 泰久、大山 裕生、佐野 幹夫
医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 放射線技術科

【目的】Real-time Virtual Sonography(以下RVS)が発売され数年が経過し、多くの施設に導入され学術報告もされている。当院では2008年3月に導入して以来、経皮的RFA時にRVSを使用し診療放射線技師サポート下にて施行している。そこで、有用であった症例や改善すべき項目を検討したので報告する。
【対象・方法】2008年3月〜8月で、RVSを用いて肝細胞癌に対しTAE後経皮的RFAを行った16症例19結節である。男女比11:5、平均年齢69歳、平均腫瘍径19×17mm、腫瘍局在はS8が11結節と最も多かった。全症例、術後のdynamic CTで治療効果良好と判断された。
【考察】腫瘍部近接の肺や腸管などを容易に認識可能であったことから、周辺臓器損傷の合併症を軽減できると考える。また焼灼前のUSを用いてRVSができれば、焼灼範囲の決定が容易となり更なる有用性が期待できる。

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【27】能登半島地震,新潟中越沖地震,宮城岩手内陸沖地震における下肢静脈エコーを使用した深部静脈血栓症活動報告(避難状況と下肢静脈エコー所見の比較)

○ 坪内啓正、 宮腰裕二、 木村裕治1) 江端清和2) 山村修3)
福井県済生会病院 放射線技術部
財団医療法人 中村病院 画像情報センター1)
高村病院 放射線部2)
福井大学医学部 第2内科3)

【目的】地震における災害関連疾患として肺塞栓症と,深部静脈血栓症(DVT)が問題となっている.今回我々は,過去2年間に発生した能登,新潟,宮城岩手で発生した被災地においてDVTスクリーニング活動を実施したので報告する.
【方法】能登,新潟,宮城岩手各地震避難所を巡回し,下肢静脈エコー(LUS)を実施した受診者を対象とした.能登においては被災者の避難状況についてアンケートをとりLUS所見と比較した.さらに,能登,新潟,宮城岩手で発生した地震のDVT発生頻度についても比較した.
【結果】各地震において,地震の発生時間経過と共にDVT発生頻度は減少していた.
【考察】避難所生活は様々な易血栓因子が重なり,DVT発生頻度が通常生活より高くなると考える.今回の活動において地震発生時間経過・避難所環境の変化によりDVT発生頻度が減少していることが把握でき,震災時にLUSが果たす役割は大きいと考える.

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【28】ミャンマー連邦サイクロンに対する国際緊急援助隊医療チームでの携帯型X線撮影装置の使用経験

○ 古賀 善明、望月 博、山田 新吾、伊藤 雄二、山内 雅人
近藤 賢一、小関 弘智、青井 典隆、河合 保
愛知医科大学中央放射線部

【目的】5月2日にミャンマー連邦を襲ったサイクロンの被害に対して5月29日から2週間、国際緊急援助隊医療チームの一員として診療活動に参加し、診療放射線技師として貴重な経験をしたので報告する。
【方法】日中は35度越える暑さと常に湿度85%以上の過酷な環境の中で、携帯型X線撮影装置PX-20HF(アドアメディカル製)、FPD:CXDI50G(キャノン製)、自家用発電機等を使用して多くの外傷や肺炎等に対するX線検査を行った。
【結果】どこにでも持ち運びできるモバイル型X線撮影装置を大規模災害の被災地で使用することは現場での迅速な診断と治療に有益であった。
【考察】今日の救急医療における放射線画像診断の重要性から考えても、将来、国内災害でも導入されることは十分考えられる。いつどこで起きるか分らない大規模災害に備えるため、ノウハウを積み重ねていくことが必要であると考える。

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【29】乳がん発見の契機の検討〜今後の啓蒙活動を考える〜

○ 桑山 真紀、澤井 明子、都築 美晴、橘 郁美、玉木 繁
佐野 幹夫
医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 放射線技術科

【背景・目的】当院では2006年よりアメニティ重視の乳腺専用検査室を構築、オリジナルの説明用パンフレットを作成し、受診者が安心して検査を受けられる環境を整備した。今回、当院乳がん患者の発見の契機を調査し、今後の取り組みの課題として乳腺検査受診行動促進の要因を追及した。
【対象・方法】2006年1月〜2008年4月までに当院を受診した初発乳がん患者247名において自覚症状有りと自覚症状無しの2郡に分け、発見の契機、腫瘤の大きさ、MMG、US所見、術式などを分析した。
【結果・まとめ】乳がんに対する関心は高くなりつつあるが、当院乳がん患者の発見の契機を分析すると乳検歴が無い、自覚症状をあるも関わらず放置する例が見られた。これは自分とは無縁の疾患という思い込みや疾患についての知識不足、多忙が阻害要因としてあげられる。これにより、乳がんの知識の普及や、受診しやすい検査形態の整備が促進要因として考えられる。

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【30】三重県放射線技師会会員を対象とした結核に関する意識調査

○ 落合 智貴(B4)、高田 尚紀(B4)、徳田 一輝(B4)
中西 左登志、 伊藤 守弘1)、 大山  泰2)、 永澤 直樹3)
北野 外紀雄3)
鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 放射線技術科学科
中部大学 生命健康科学部 生命医科学科1)
山田赤十字病院 放射線科部2)
三重大学 医学部附属病院 中央放射線部3)

【目的】結核予防法が廃止され,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に統合された事を期に,診療放射線技師の結核に対する意識を調査することを目的とした。
【方法】三重県放射線技師会会員施設114施設(会員数415名)を対象とし,用紙法郵送によるアンケート調査を行った。
【結果】有効回答は59施設(51.8%),会員277名(66.7%)であった。法の変更を知っていたのは52名(18.8%)であった。結核に関する現状調査では,「結核抗体を持っている」が127名(45.9%),「持っていない」が24名(8.7%),「わからない」が120名(43.3%)であり,「持っていない」「わからない」との回答者151名中,抗体検査を行う予定があるとの回答は16名(11.0%)であった。
【結論】アンケート調査の結果,結核に関する関心は決して高いとは思われず,診療放射線技師に対する感染対策教育が不足していると推察される。

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【31】医療画像システムの電子化における検像の必要性

○ 野口 清直、西村 英明、秋田 直昭、石田 智広
福井赤十字病院 放射線科部

【目的】当院では、2008年11月よりfilmlessでの運用を開始した。以前より、主にRISダウン時に対応するために検像端末は使用していたが、filmlessに向けて確実な検像を行えるように、今までの検像システムをバージョンアップし新たな機能を搭載させたシステムを導入したので報告する。
【概要】
当院の検像システム仕様
・オーダリングシステムの実施情報に基づき、モダリティの画像をマッチングするシステムである。
・検像のプロセスを電子化し、保証された画像の配信、標準化された比較参照しやすい画像配信など画像データの品質保証を実現するシステムを目指す。
1、照合確認(整合性の担保)
2、すべての操作ログ記録(責任の明確化)
3、教育・管理(質の確保)
4、フィルム出力・ジャケットシールプリントの自動出力機能
5、検像終了表示端末設置

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セッション6 核医学 32〜37 13:20〜14:20
座長:福井県済生会病院 山本 敏信

【32】PET/CTによる息止め撮像の検討

○ 谷崎靖夫、菅野敏彦
県西部浜松医療センター 先端医療技術センター

【目的】今回圧センサー式呼吸管理システムを被験者に装着させ呼吸停止と安静呼吸でCT、PETを収集し検討した。
【方法】肺疾患の被検者に対し安静呼吸撮影はホールボディ時の画像を使用し、また、呼吸停止撮影は呼吸停止位置を合わせるため被験者に圧センサー式の呼吸同期システムを装着し20秒毎の呼吸停止(吸気)ダイナッミク収集用いて、最大吸気時と自然呼吸での吸気時でCTとPETを撮像し、ホットエリアの3D−ROIによるSUVで比較した。
【結果】最大呼吸撮像と自然呼吸での吸気撮像を比較するとSUV(max)では同等の値だが、SUV変化率では自然呼吸での吸気が9%と最大吸気撮像の約半分の値を示した。また、息止め撮像する事で安静呼吸撮像よりSUV(max)で28%高値を示し、CT、PETの位置ズレの少ない画像を得る事が出来た。

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【33】横隔膜の動きがPET画像とSUV値へ及ぼす影響

○ 傍島 篤洋、 安田 鋭介、 矢橋 俊丈、 中村 学、 船坂 佳正
小川 定信、 石川 照芳、 恒川 明和、 西脇 弘純
大垣市民病院 医療技術部 診療検査科 機能診断室

【目的】横隔膜の動きがPET画像とSUV 値へ及ぼす影響を検討した.
【方法】装置はシーメンス社製biograph 16, 収集は18Fの減弱補正した臨床プロトコールで,再構成はOSEM法である.NEMA IEC ボディファントム(放射濃度比は1:4,1:8)を人工呼吸器で動かし(13回/分),その振幅を変化(20,25,30mm)させて放射能濃度比別にみたHot像とSUV max値を測定し,振幅の大きさ及び収集時間の違いを比較した.
【結果】1)Hot像は,振幅が大きくなるに従って大きくなり,振幅がHot領域の直径を上回るとHot像は振幅に平均化され,SUV max値は順に低下し,放射能濃度比による違いはなかった.2)収集時間を3倍にすると10mm径のHot像を描出できたが,振幅が20mmを上回ると視覚的に認識できなかった.
【結論】横隔膜下小病変の描出には3倍の収集時間を要し,SUVは低値を示した.

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【34】PET-CT検査における被ばく線量

○ 伊藤祐介、伊藤雅人1)、川光直義1)、川島尚人1)、 日比野友也2)
小林貴博2)、山英一2)、安野泰史1)、鈴木昇一1)
藤田保健衛生大学大学院保健学研究科
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科1)
総合大雄会病院放射線科2)

【目的】近年、PET-CT装置の普及に伴って、PET-CT検査の数も急速に増加している。そのため、PET-CT検査の被ばく線量を把握しておく必要がある。今回、PET-CT検査の被ばく線量を測定、評価した。
【方法】PET-CT装置は全身用ポジトロンCT装置 Discovery LS (GE社製)を使用した。人体の表面にTLD素子を貼付し、RI(18F-FDG)を投与してから、CT検査、PET検査を行い、検査終了するまでの被ばく線量を測定した。CT検査のスキャン条件は、管電圧140kV、mAs値10〜40mAs(AEC使用)で検査を行った。RI投与から検査終了までは80分であった。
【結果及び考察】線量は上腹部前面(腎臓の位置)で最大となり、6.7mGyであった。PET-CT検査では、CTの線量を低下させて撮影しているため、胸部単純CTの線量(6.5mGy)と同等の被ばく線量であることが分かった。

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【35】核医学における最適フィルミングフォーマットの提案(第2報)

○ 川渕 安寿、彦 滋章1)、山本 治樹1)、笠松 正夫2)、木村 和樹2)
田内 晶子3)、水口 雅人4)
金沢市立病院
公立松任石川中央病院1)
済生会金沢病院2)
小松市民病院3)
浅ノ川総合病院4)

【目的】核医学検査の出力フォーマットは施設間の表示方法の差が顕著であり,標準化は全くなされていない.読影に必要な画像情報が欠落しないことを条件に出力フォーマットの標準化を目的とするフォーマットを提案することを目指した.
【方法】金沢地区のべ11施設よりフィルムを持ち寄り,ディスカッション方式で多施設放射線技師によるフォーマット素案を作り,核医学専門医からの追加意見を取り入れフォーマット案を作成した.資料を北陸の核医学施設にアンケートを送り更に修正を加えた.各種学会,研究会で途中経過を発表し多くの意見を取り入れた.
【結果】骨,ガリウム,心筋,脳血流,肺腫瘍,肺血流,レノグラムおよびFDG-PETについての出力フォーマット案を作成した.
【結論】レイアウトの施設間差は歴然であり,フォーマット標準化は重要である.当日会場からも厳しいご意見・ご批判を頂き今発表を元に核医学出力フォーマットの標準化を目指したい.

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【36】亜急性期心筋梗塞におけるGated SPECT解析精度向上の検討

○ 杉浦 広晃、青木 卓、鈴木 碧、成田 義孝、大山 裕生
佐野 幹夫
医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 放射線技術科

【目的】一般的にGated SPECT解析において、欠損部位が大きくなるほど心筋の輪郭抽出能が低下する。そこで、201Tl(以下Tl)画像上、欠損となる梗塞部位に対し、99mTc-ピロリン酸(以下PYP)画像の補間による輪郭抽出精度の向上を検討したので報告する。
【方法】Tl画像、及びTl画像にPYP画像を重ね合わせた加算画像を作成し、QGS及び4D-MSPECT解析を行った。心エコー検査を真値と仮定し、解析結果よりEF、EDV、ESVの比較、及び輪郭抽出について視覚的評価を行い比較した。
【結果・考察】Tl画像に比べPYP加算画像ではQGS、4D-MSPECT共にEF、EDV、ESVの精度が向上した。また、視覚的評価について、特に4D-MSPECTにおいてPYP加算画像で精度が向上した。Tl画像にPYP画像を補間することで、より実際の心筋に近い輪郭抽出が可能となり、精度向上に繋がると考える。

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【37】全身撮影によるTechnetium-99m Pertechnetate 甲状腺シンチ摂取率測定の基礎的検討

○ 岸本 貴宏、杉本 勝也、大越 優祐、北 章延、東村 享治
土田 龍郎1)
福井大学医学部附属病院 放射線部
福井大学医学部附属病院 放射線科1)

【目的】甲状腺の機能検査にTc-99m O4による甲状腺摂取率測定が用いられている。注射漏れを起こした場合、頚部の局所撮影による測定値では過小評価になることが考えられる。今回、全身撮影による甲状腺摂取率測定の適正化を検討した。
【方法】甲状腺模擬ファントムを用いて、局所撮影と全身撮影の測定値の比較を行った。全身撮影による測定値の精度の検討は、注射漏れを1〜20%まで変化させて行った。関心領域(以下、ROI)の設定の検討は、甲状腺模擬ファントムと臨床例において、BoxとManualの2通りで行った。
【結果】局所撮影と全身撮影の両者に、測定値の差は認められなかった。測定値の精度の検討では、1%の漏れから有意差が確認できた。2種類のROI設定の比較では、差は見られなかった。
【考察】全身撮影による甲状腺摂取率測定は、注射漏れのある症例の場合、測定値の適正化が行えることが示唆された。

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11月24日(月) 第1会場

セッション7 CT1 38〜42 9:00〜9:50
座長:藤田保健衛生大学病院放射線部 吉見  聡

【38】ヘリカルCTの理解のための実験を経験して

○ 松永純也、 辻岡勝美1)、 大坪寛知
宏潤会大同病院
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科1)

【目的】発表者はCTのデータ収集・画像再構成の基礎原理を理解するためにCRシステムを利用した実験を行った。そして、その実験の経験から、この実験をヘリカルスキャンに発展させた。今回、従来のアナログCT実験を発展させたヘリカルCT実験について実験方法とその経験を報告する。
【方法】データ収集にはCRシステムを利用した。測定系にはスライス厚・体軸方向への寝台移動を考慮したものとした。ヘリカルスキャン時の画像再構成には補間計算も行った。
【結果】今回の実験の結果、スライス厚の変化による部分体積効果・ヘリカルスキャンによるアーチファクトの解消を体験できた。
【考察】今回、新人放射線技師としてCT装置・ヘリカルCTを従来のCRシステムを用いて理解することができた。これらの経験は今後の業務でのCT理解に有用であると感じることができた。

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【39】金属球を用いたCTの時間分解能の新しい測定法

○ 岩田裕太、市川勝弘1)、横井知洋2)、中垣内雅弥、森岡祐輔、渡辺翔太
金沢大学医学部保健学科
金沢大学医薬保健研究領域保健科1)
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻2)

【目的】新しく考案した金属球によるCTの時間分解能測定法を紹介し,この方法により測定したTemporal sensitivity profile(TSP)から,時間分解能評価を行う.
【方法】16,32,64列Multi Detector-row CTにおいて,直径11mmの金属球(遊技用)をスライス面と垂直方向に勢いよく通過させ,短い時間間隔となるように再構成された画像のROI測定により,TSPを得る.ピッチ,回転時間,スライス厚を変えて得られたTSPからFWHMを測定し比較検討する.
【結果及び考察】回転時間が小さいとFWHMは小さく,時間分解能は向上した.ピッチが大きく,スライス厚が薄いとFWHMは小さくなった.1.0以上のピッチの増加に対しては,時間分解能の向上率は低下する傾向にあった.またピッチによっては特異的な形状のTSPとなった.本測定法により時間分解能の詳細な評価が可能となった.

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【40】CTにおける時間領域のMTF測定

○ 森岡祐輔、 市川 勝弘1)、 横井 知洋2)、 岩田 裕太、 中垣内 雅弥
渡邊 翔太
金沢大学医学部保健学科
金沢大学医薬保健研究域保健学系1)
金沢大学大学院医学系研究科2)

【目的】新しく考案した時間分解能測定法より得られたtemporal sensitivity profile(TSP)から,時間領域のMTFを求め,撮像条件が時間分解能に与える影響について検討する.
【方法】金属球をスライス面と垂直方向に高速で通過させて,得られた画像からTSPを得る.このTSPをフーリエ変換して時間領域のMTFを求める.16列,32列及び64列MDCTについて,撮像条件(ピッチ,管球の回転速度,スライス厚)を変化させ,時間領域のMTFを測定し,比較・検討する.
【結果及び考察】ピッチと回転速度は,増加するにつれて時間分解能が改善された.しかし,ピッチについては装置によって変化の傾向が異なっていた.スライス厚については,16列MDCTでは薄いほど時間分解能が改善されたが,64列MDCTでは影響がなかった.また,多列となるほど時間分解能が向上することも示された.

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【41】CT値の再現性を重視した肺野関数画像処理

○ 中垣内雅弥3)、 市川勝弘1)、 横井知洋2)、 渡辺翔太3)、 森岡祐輔3)
岩田裕太3)
金沢大学医薬保健研究域保健学系1)
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻2)
金沢大学医学部保健学科3)

【目的】肺野関数CT画像に空間周波数処理を施し、肺野画像で問題となるアンダーシュート及びオーバーシュート(UOS)を抑制し、高解像度とCT値の再現性向上の両立を試みる。
【方法】空間周波数係数は、B60のMTFとUOS抑制のためのMTFとの比率より算出した。太さの異なる4本のアクリルロッドをスキャンし、肺野関数(B60)、腹部関数(B41)にて再構成した画像と、B60画像に空間周波数処理を施した画像のCT値の測定とプロファイルによる評価を行う。さらに、胸部CT画像に対しても空間周波数処理を施し、解像度とUOSに対する視覚評価を行う。
【結果及び考察】処理を施した画像でほぼ正確なCT値が得られ、UOSは明らかに抑制された。胸部CT画像に対する処理画像についても十分な解像度を維持したままUOSは明らかに抑制された。これらの結果より、この肺野関数画像処理の臨床的有用性が示唆された。

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【42】バーパターンを用いた非線形画像スムージングフィルタの評価

○ 丹羽伸次、 市川勝弘1) 原孝則、 加藤秀記、
中津川市民病院医療技術部
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻1)

【目的】Simens Emotion 6には,CT検査における被ばく低減を目的とした画像フィルタ(Advanced Smoothing Algorism) が搭載されており,今回,その画像フィルタの基本特性の把握を目的とした評価を行った.
【方法】佐藤らが提案したディジタルバーパターンによる評価法に準拠して評価を行った.水ファントムをスキャンし,そこに空間周波数が異なる数種類のバーパターンを加算した.なお,水ファントム画像のスライス厚は0.63mmと5.0mmとし,バーパターンのコントラストは15,50,300HUの3種類とした.
【結果】ノイズ量及びコントラストの違いにより各空間周波数においてフィルタ効果に違いを生じ,特に高空間周波数領域において信号の劣化がみられた.
【考察】フィルタ効果は,ノイズ量及びコントラストによりその効果が異なるため,その特性を考慮して臨床画像に適応するべきと考えられた.

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セッション8 CT2 43〜47 9:50〜10:40
座長:名古屋市立大学病院中央放射線部 大橋 一也

【43】大口径IVR−CTの性能評価

○ 石黒 泰範、 服部 寿史、 大橋 和也、 流 真治、 芳賀 弘好
米澤 祐司、 清田 実、 堀田 勝平
愛知県がんセンター中央病院

【目的】CTを使用したIVRにおいて、大口径CT(以下LB)は、術者が手技を行う上で大変有用である。しかし、LBは管球検出器間距離が長く、画質及びCTDIに影響すると考えられる。今回、標準的な口径のCTと画質、CTDIについて比較し、被曝線量低減についても検討した。
【方法】使用機器はAquilionLB16、32、8(DAS)である。画質についてはノイズ(SD)、空間分解能(MTF)、低コントラスト分解能(CNR)を比較した。また、LBに関しては線量評価及び再構成関数を変化させMTF、CNRを測定した。
【結果及び考察】同じ撮影条件下の比較において、LBは距離の影響でSD、MTF、CNRのいずれも標準口径CTより劣っていた。またCTDIも低い値を示した。LBが標準口径CTと同様の画質を得るには、多くの撮影線量が必要とされるが、再構成関数を工夫することで、被曝線量を抑えることができた。

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【44】FPD搭載コーンビームCT回転撮影における検出器ゲイン増減による画質への影響について

○ 藤本真一、 指江浩之、 上坂秀樹、 石田智一、 福島哲弥
長谷川涼美、 東村享治
福井大学医学部附属病院 放射線部

【目的】第64回JSRT総会学術大会にて腹腔内ガスによる皮膚面欠損に対し検出器ゲイン減少が有効であることを報告した。今回、ゲイン増減による画質への影響を報告する。
【方法】標準偏差(SD)の計測用に径20cm円柱ファントムを用いた。CT値の直線性とCNRの計測用に自作ファントムを作成した。各々のファントムに楕円アダプタを装着しAXION Artis dFA(SIEMENS)にて回転撮影を行い、アキシャル断面像を再構成し、ゲイン増減に対する上記計測値の変化を調べた。
【結果】ゲイン減少と共にSDは増加しCNRは減少した。CT値の直線性は保たれていた。
【考察】皮膚面付近の形状再現性はゲインを下げた方が良くなるが、CNRは減少する。画質と形状再現性のバランスを考え、現在ゲインを下げて撮影を行っているが、視覚的に問題となる画像は見られていない。

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【45】320列CTの線量評価

○ 伊藤雅人、川光直義、 川島尚人、 伊藤祐介1)、 小林正尚2)
片岡由美2)、 井田義宏2)、 鈴木昇一
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科
藤田保健衛生大学大学院保健学研究科1)
藤田保健衛生大学病院放射線部2)

【目的】エリアディテクタCT(ADCT)であるAquilion Oneは、1回転で最大160mmを0.35秒でスキャンできる。そこで従来のCT装置とCTDIと人体ファントムによる線量の比較評価を行った。
【方法】CT装置は東芝、Aquilion One(320列)、Aquilion 64を使用した。CTDI測定にはPMMAファントムとCT用電離箱線量計を使用し、スライス厚8、32、160mmの3種類で評価した。また人体ファントムにTLD素子を挿入し頭部CT検査の線量評価を行った。160mmの範囲を8×20スキャン、32×5スキャン、160×1スキャンの3種類で評価した。
【結果】および【まとめ】人体ファントムでは、160mm×1スキャンと比較すると8mmでは40%、32mmでは10%線量が増加していた。しかしCTDIでは両CTに差はほとんど見られなかった。
ADCTは検査時間の短縮で患者の負担を減少させるとともに、同一スキャン範囲をスキャンする際には従来のCTよりも線量が低減していた。

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【46】320列CTの使用経験〜心臓CTにおける有用性〜

○ 宮澤大輔、冨田雄平、酒向健二
木沢記念病院 医療技術部 放射線技術課

 当院では臨床機としては世界初となる320列検出器搭載CT「Aquilion ONE(東芝メディカルシステムズ)」を平成20年3月に導入し、同年4月より本格稼動している。この装置の大きな特徴は、最大16cmの範囲を1回転で撮像し「Area date」を得られる事であり、心臓検査においては最短1心拍で撮像することが可能となった。これにより造影剤量や被曝線量の低減も期待される。また1scanのためバンディングアーチファクトがなく、従来検査不良であった不整脈等の疾患に対しても適応可能となった。今回我々はこの装置で経験した症例のうち、320列CTの有用性が認められた症例について報告する。

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【47】320列ADCTにおけるDose efficiencyの基礎検討

○ 小林 正尚、 伊藤祐介1)、 片岡由美、 井田義宏、 木野村豊
鈴木昇一2)
藤田保健衛生大学病院 放射線部
藤田保健衛生大学大学院 保険学研究科(M2)1)
藤田保健衛生大学 医療科学部 放射線学科2)

【目的】1回転で最大160mmのデータ収集が可能な面検出器CT(ADCT ;AquilionONE)が実用化されたので、照射範囲の増加に伴う線量利用率の検討を行った.
【方法】ADCTの寝台にX線透過フィルム(X-OmatV2)を配置し線量分布を比較した.検討条件は非螺旋スキャンで160mmの範囲を1スキャン及び32mmの5スキャン(64/64),螺旋スキャンで160mmの範囲をピッチファクター(Pf)41/6453/64でスキャンの4種類とした.
【結果】160mmの範囲で非螺旋スキャンを行った場合は照射範囲(線量分布の半値幅)が182mmとなり、線量利用率は86%となった。同じ範囲での螺旋スキャン(Pf53/64)の照射範囲は220mmとなった.
【考察】ADCTは線量利用率が86%でIEC規格上コンソールに表示されないが体軸方向に22mmの余剰照射があるため注意が必要である。

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セッション9 CT3 48〜54 10:40〜11:50
座長:福井総合病院放射線科 高橋 政史

【48】MDCTによるRight paratracheal cysts の頻度およびCT像

○ 奥村悠祐、鈴木正行1)、武村哲浩1)、高橋志郎2)
石川県済生会金沢病院放射線部
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻1)
石川県済生会金沢病院放射線科2)

【目的】Paratracheal air cysts(PAC)は傍気管部に憩室状に存在する.この存在はごく稀であり,偶発的に発見されることが多い.今検討ではMDCTを用いることで微小なPACの描出および,その頻度を求めることを目的とした.
【方法】対象は1139名.撮影条件は120kVpで自動露出機構を用い,ピッチ7.0,スライス厚2.0mm,ギャップ1.0mmとした.PACが存在すると思われる症例には三次元処理を追加した.
【結果】1139例中73例(6.41%)でPACの存在が認められた.サイズの最大は25mm,平均4.1mmであった.
【考察】今回の結果よりPACは決して稀なものではないということが出来る.PACはその多くが無症状で,また症状がある場合でも特異性がなく,見過ごされる可能性がある.この存在についての知識とMDCTによる描出はこれら症状に対する診断の一助となりうると考える.

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【49】腹部領域CT検査におけるMPR画像に関する検討

○ 長谷川晃、大橋英靖、柴田久誠、全屋亮吾、須藤聖子
土肥弘明、満間啓二
富山赤十字病院 放射線科部

【目的】近年、MDCTが急速に普及し、臨床において薄いスライス厚でのVolume Dataの取得により、MPR画像や3D画像が多用されるようになった。当院でも64列MDCTの導入以降、腹部でのMPR画像作成の依頼が非常に多くなった。そこで今回、腹部領域のMPR画像作成のための適切な撮影条件について基礎的検討を行った。
【使用機器】
  GE healthcare社製 Light Speed VCT
  GE healthcare社製 Advantage Workstation4.3
  Phantom Laboratory社製 Catphanファントム
【方法】Noise Indexを15.00〜23.00で変えてファントムを撮影し、MPR画像を作成、ノイズ、低コントラスト分解能、MTFの物理的評価を行った。
【結果・考察】今回の検討から当院のNoise Indexの設定はMPR画像作成上、十分に情報を引き出せているという点ではおおむね適切であると考えられた。ただし、被ばくという観点からすれば良好であるとは言えず、今後、更なる検討が必要である。

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【50】救急CT検査における体幹部領域のMPR画像作成に関する検討

○ 長谷川晃、 全屋亮吾、 須藤聖子、 大橋英靖、 土肥弘明
柴田久誠、 満間啓二
富山赤十字病院 放射線科部

【目的】当院では2007年3月に64列MDCTを導入以降、救急患者のCT検査はすべてMDCTで行っている。外傷患者の体幹部領域の撮影の場合、軟部組織、肺野領域、骨領域等、必要となる条件が多くなる。また、MDCTによって得られたデータによって作成されるMPR画像やVR画像からの情報は、救急の現場では非常に有用である。今回、救急検査時の体幹部領域でのMPR画像作成のための最適な撮影条件について検討した。
【使用機器】
  GE healthcare社製 Light Speed VCT
  GE healthcare社製 Advantage Workstation4.3
  Phantom Laboratory社製 Catphanファントム
【方法】Noise Indexを16.00〜18.00、関数をSOFT〜BONEPLUSの8パターンに変えてファントムのMPR画像を作成、物理的評価を行った。
【結果・考察】今回の検討により、必要とする情報に応じて適切なNoise Indexや再構成関数が選択できた.また、救急時のCT撮影においてMPR画像を作成する場合の適切な撮影条件が把握できた。

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【51】手関節CT撮影の筋腱描出能の検討

○ 後藤菜月、 間渕景子、 鈴木康太、 松井隆之、 山下俊明
小林秀行、 安間啓、 土屋甲司
聖隷浜松病院 放射線部

【目的】整形領域における手関節CTにおいて、撮影条件による筋腱描出能について検討したので報告する。
【方法】Light Speed VCT(GE社製)を用いて、管電圧・管電流・再構成関数を変化させて低コントラスト分解能評価ファントムの撮影を行いノイズ・低コントラスト検出能の評価を行った。
さらに手関節を模した模擬ファントムの3D画像を用いて視覚評価を行った。
【結果・考察】管電圧80kVの場合、コントラストの向上は認められたがノイズ成分が多く含まれ、140kVの場合ではノイズの低減が見られたがコントラストの低下が認められた。また、再構成関数によってもノイズとコントラストは大きく変化し画像への影響は大きいことがわかった。
模擬ファントムの3D画像による視覚評価では、100kV、120kVで得られた画像の描出能が高かった。
筋腱の描出にはノイズとコントラストの兼ね合いを考慮した撮影条件で撮影する必要がある。

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【52】64列MDCTでの肝造影CTにおける造影法の検討 −生食後押しボーラストラッキング注入法と撮像開始時間固定法との比較−

○ 越田晴香、 高田忠徳、 林弘之、 堀井純清、 山本友行
川井恵一1)
金沢大学附属病院 放射線部
金沢大学附属病院 放射線科1)

【目的】64列MDCTは撮像時間が短い為適正タイミングでのダイナミック撮像が困難である.今回我々は肝造影CTにおいて生食後押しボーラストラッキング注入法(以下BT法)と撮影開始時間固定法(以下固定法)による造影能の違いを比較検討した.
【方法】造影剤注入条件は体重あたり600mgI/kg,注入時間30秒の固定法で実施した.BT法では生食30mLを後押しし,腹腔動脈レベルでの腹部大動脈のCT値が150HUでトリガをかけ17秒後に動脈優位相の撮像を開始した.固定法は造影剤注入開始から35秒後に撮像した.各々単純,動脈優位相,門脈優位相,平衡相における大動脈,門脈,肝静脈,肝実質のCT値を測定した.
【結果】BT法は固定法よりも動脈優位相及び門脈優位相での肝実質のCT値のばらつきが小さくなった.よってBT法は固定法よりも適切なタイミングで撮像できると考えられる.

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【53】頭部3DCT-Angioにおける造影剤量についての検討

○ 中川 幸子、阿知波 正剛、伊藤 あゆ美、飯田 葉子、伊藤 富貴子
籏 道子、近藤 悟、米田 和夫
名古屋大学医学部附属病院医療技術部放射線部門

【目的】造影CT検査において、肝胆膵腎など実質臓器を対象に検査する場合、患者の体重に応じて造影剤量を決定している。しかし、3DCT-Angio検査においては、撮影開始時間に応じて造影剤量を制御し、患者の体重に応じての事前決定はしていない。今回、頭部3DCT-Angio検査について、患者体重・撮影開始時間・造影剤量・造影効果などの相関をRetrospectiveに検討した。
【方法】Bolus Tracking法を用い、造影剤の到達を目視で確認し手動にて撮影開始し、Bolus Tracking終了と同時に造影剤の注入を中止した。造影効果は内頚動脈(C5、C1)のCT値をもとに検討した。
【結果】患者体重と造影剤量には明らかな相関は見られなかったが、造影効果はC5で約200-600HU、C1で約300-500HUと‘ばらつき‘があるものの、十分な造影効果が得られた。

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【54】心拍数の変化とBMIが造影効果に与える影響

○ 森 幹博、榊原 圭介、国松 佳弘
一里山・今井クリニック

【目的】頭部3DCTのスキャン開始時の決定にTest Injection(TI)法を用いて、Time Density Curve(TDC)の傾きから内頚動脈(C1)でのCT値が300HUになった時点でスキャン開始している。
今回、TI法より予測したCT値と実際のCT値に乖離を認める症例の影響因子について検討した。
【方法】臨床50例でTI法のTDCよりC1の予測したCT値と実際のCT値を測定し心拍数とBMIの影響について検討した。
【結果】心拍変動の少ない(3bpm以内)37例中27例ではCT値がほぼ同等であったが、BMI25以上又は心拍数80以上の16例中10例では予測CT値より実際のCT値が有意に低くなった。心拍変動が大きい症例ではCT値の差も大きくなった。
【まとめ】BMIと心拍数は実際のCT値に影響し予測したCT値との乖離の原因となっている事が示唆された。

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11月24日(月) 第2会場

セッション10 治療1 55〜60 9:00〜10:00
座長:厚生連高岡病院画像診断部 川原 昌宏

【55】放射線治療用皮膚マーカーの検討

○ 若田 鋭樹、木田 浩介、平子 貴雄、渡邉 健二
内田 守彦、山添 智
春日井市民病院放射線技術室

【目的】今回我々は、放射線治療における照射野設定に使用される体表マーカーについて、市販のネームペンと放射線治療用皮膚マーカーペンの保存性と視認性を検討したので報告する。
【方法】市販のネームペン7種類と放射線治療用皮膚マーカーペン1種類を使用して、前腕に3cmの直線を描きその視認性を技師5名で7日にわたって経時的に比較検討した。
【結果】YYSS−7BKを除く6種類のネームペンの耐久性は悪く、YYSS−7BKと放射線治療用マーカーペンESD34は7日を経ても視認できた。時間が経って薄くなったESD34は黒色ではないため、同時期のYYSS−7BKよりその視認性は劣っていた。
【考察】放射線治療に使用するマーカーは、耐摩耗性が良いこと、耐水性が良いこと、にじみが少ないことなどの条件があるが、入手のしやすさと経済性からもYYSS−7BKが、皮膚マーカーペンとしては最適と考える。

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【56】治療用CTレーザー簡易調整法の試み

○ 鈴木浩光、太田広行、山本公大、吉田 稔
西尾市民病院 画像情報室

【目的】当院では、治療用CTレーザー(診断用CTに設置)の調整を一人で行なわなければならない事が多く、またCTは診断に絶え間なく稼動している為部屋を長時間空けるわけにはいかない。そのため毎回の微妙な調整に苦慮していた。今回一人で短時間に調整を行う方法を検討したので報告させて頂きます。
【方法】
1.三脚+デジタルビデオカメラの高さをレーザー高に合せる。
2.三脚+デジタルビデオカメラの位置をレーザー光の障害にならないように設置する。
3.ピントを調整しながら対側のレーザー中心を映す。
4.映像を見ながらレーザーの調整を行なう。
5.ファントムを撮影して、レーザーの調整具合を確認する。
【結果・考察】今回の方法で、調整・確認まで10分以内で出来た。当院のように治療専用CTが無く、治療担当者も少ない施設にとって簡単で効率的な調整法であった。

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【57】6軸対応カウチにおける幾何学的中心精度の検討

○ 中澤 寿人、加藤 信治、林 直樹、萩原 昌宏、木村 隆
内山 幸男1)、山田 雅巳、山室 修2)、滝川 幸則
名古屋共立病院 画像技術課
岐阜医療科学大学 保健科学部 放射線技術学科1)
東名古屋画像診断クリニック 画像技術課2)

【目的】当院の定位放射線治療専門機Novalisでは、STIとIMRT治療を行なっており、幾何学的精度が治療精度を左右する。そのため幾何学的チェックとして簡便で精度の良いWinston-Lutzテスト(以下WLテスト)を日常業務で行なっている。今回、従来のカウチ(ExactCouch)から6軸カウチ(ImagingCouch)に交換したことによる影響を検討した。
【方法】WLテストを行い、フィルム法にてD-Dシステム(R-Tech)を用いて評価を行なった。また、WL moduleテストによりWLツールのセットアップ位置精度チェックを行った。
【結果】従来カウチと6軸カウチの比較で全体の平均誤差は6軸カウチがわずかに大きいが、明らかな差は得られなかった。また、ガントリー90、270度時のVertical方向の誤差が特に大きかった。
【考察】6軸カウチは従来のものより強度が若干劣っており、カウチがたわむことでVertical方向の誤差につながったと考えられる。

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【58】Cone Beam CT撮影条件の基礎的検討

○ 山中礼奈、 山田薫、 鈴木明美、 多々良透、 戸塚大輔
瀧澤昌丈、 矢田隆一、 加藤由明、 野末政志1)
聖隷浜松病院・放射線部
聖隷浜松病院・腫瘍放射線科1)

【目的】当院ではVarian社製OBI搭載のCLINAC21EXにてCone Beam CT(以下CBCT)用いた位置照合を行っている。メーカー推奨条件にてCBCT撮影を行っているが、高条件な為に被ばく線量が懸念される。今回、CBCT撮影条件と、被ばく線量、画質について基礎的検討を行ったので報告する。
【方法】ファントムはCatphan(R)(The Phantom Laboratory社製)を用い、条件を変化させてCBCT撮影を行った。撮影時にはファントムに放射線熱蛍光線量計(TLD)を設置し被ばく線量も測定した。取得した画像で画質評価を行い、CBCT撮影条件と、被ばく線量、画質についての検討を行った。
【結果】画質はmAs値だけでなく他の設定条件の影響も受ける為、メーカー推奨条件より被ばく線量抑え、かつ同等な画質を得ることが可能であった。
【考察】臨床においても被ばく線量を抑え、画質の保障される撮影条件の設定は可能と示唆された。

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【59】画像誘導放射線治療におけるコーンビームCT画像の幾何学的精度の検討

○ 佐々木美絵、 青山将士、 北川雅康、 小路佐織1)、 武村哲浩2)
金沢大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
金沢大学附属病院1)
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻2)

【目的】画像誘導放射線治療では,照射時の位置合わせにコーンビームCT(以下CBCT)が用いられている.CBCT画像の幾何学的精度は照射時の位置合わせの精度に影響する可能性がある.そこで本研究ではCBCT画像の幾何学的精度を計測した.
【方法】1mmφステンレス球を寝台に固定し,FOV内をx,y,zの3軸に沿って寝台移動により移動させCBCTを撮影した.得られた画像よりステンレス球の座標と実際の移動距離を比較し幾何学的精度を求めた.FOVの大きさはサイズS(270mm)とM(420mm)で行った.
【結果と考察】XZ面内で座標軸のわずかな傾きが見られ,傾きはX軸方向の移動ではFOV Sで0.50度,Mで0.70度,Z軸方向ではSで0.44度,Mで0.40度であった.CBCTを用いた照射時の位置合わせには,XZ面における画像の回転による誤差が含まれる可能性がある.

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【60】CRを用いたDynamic IMRTの Daily QA(フェンステスト)の解析プログラムの検討

○ 中谷 隆佳、 野口 由美子、 奥平 訓康
名古屋大学医学部附属病院

【目的】Dynamic IMRTを行うにあたり、DMLCの精度点検を行うことは大変重要であり、日常点検にDMLC出力比変動試験や位置検証(フェンステスト)などが用いられる。当院ではイメージングプレート(IP)を使用してフェンステストを行い視覚的に評価してきたが、観察条件の違いにより安定した評価は難しい。本研究ではIP画像を客観的に評価できるプログラムを作成しDaily QAの解析を行った。
【方法】MLCを用いて1mm幅スリットビームを照射したCR画像を得、リーフ対毎のプロファイルを取得し、閾値を設定することで0.2mmのエラーの検出を試みた。
【結果】通常のスリット像とエラーを含む像を比較すると0.3mmの差を検出できた。
【考察】プログラムを用いた評価では目視より素早く客観的に異常を検出できると言える。しかし、解析対象となる画像の分解能が粗い為、エラーの無いものまで検出してしまう問題がある。

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セッション11 治療2 61〜66 10:00〜11:00
座長:木沢記念病院 浅野 宏文

【61】定位放射線治療に用いる固定シェルの収縮特性の検討

○ 石黒 充、太朗田 融、三浦 淳也、長谷川 拡平、上田 良成
浅ノ川総合病院 定位放射線外科センター

【目的】定位放射線治療の固定具として使われるシェルは60〜70度で加温し冷却することにより形成されるが、その際に収縮し、患者に過度な圧迫を与える恐れがある。そこでシェルの種類や冷却法の違いによる収縮特性を経時的に把握し最適な固定具作製法を検討した。
【方法】穴あき、穴なし両タイプのシェル断片を加温し、引き伸ばし率を1.0倍〜2.0倍まで5段階に分けた。また部分的収縮度がわかるように10mm間隔でマーキングした。冷却は自然冷却と冷タオルによる強制冷却にて比較し経時的に計測した。
【結果・考察】シェルを形成する際、急速に濡れタオルなどで冷却をすると自然冷却にくらべ収縮率が大きかったが、患者に過度な圧迫を与えるほどではないと考えられた。また作製所要時間は2倍以上も違い、患者の体位苦痛も考えると強制冷却が懸命と考えられる。そのためシェルの収縮と圧迫度を考慮し、注意深く作製することが必要である。

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【62】頭頸部シェルを用いた定位放射線治療における患者整位精度

○ 木村 隆、 内山 幸男1)、 加藤 信治、 林 直樹、 萩原 昌宏
中澤 寿人、 山田 雅己
名古屋共立病院 画像技術課
岐阜医療科学大学 保健科学部1)

【目的】頭頸部シェルを用いて定位放射線治療を行う場合の患者固定性および再現性について検討する.
【方法】頭頸部シェルはMedtec社製Type-Sシステムを使用し,患者 位置測定にはNovalis Bodyシステム(BrainLAB)を用いた.シェルの形状を頭部くびれあり,頭部くびれなし,穴あき加工ありの3パターンに分類し,得られた数値を統計的に解析した.
【結果および考察】得られた数値の統計的解析から,位置再現性についてはくびれがあるタイプがわずかによく,どれも2.0mm前後の誤差であったが,3つのタイプ間に有意な差は認められなかった.位置固定性については穴あき加工タイプで回転角度に対する誤差が大きかったが,3つのタイプ間で有意となる差は認められなかった.また,治療寝台を動かした症例では動かさない症例に比べ,固定性が低下した.
【結果】頭頸部シェル作成方法の違いで差は生じるが,いずれも良好な再現性・固定性を保てていた.

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【63】CBCTを利用したIGRT治療が有効であった1症例について

○ 小西 貴広、堀 尚樹、倉田 雄一、上田 伸一、小路 佐織
金沢大学附属病院

【目的】精巣部の治療においてCBCTを用いたセットアップを行い毎回の位置ずれや治療終了までの経緯について報告する。
【方法】精巣部に2Gy×15回の非対向二門照射で立案した治療計画を当院が通常使用しているCBCTのプロトコルにてセットアップを実施し毎回の補正量その経緯について検討した。
【結果】当院では骨による位置ずれ検出を用いて位置補正を行っているが、本症例では2回目にそのずれが(XYZ)(03.518.9)mm検出され骨による自動位置ずれ補正は不適当と判断された。
以降は担当技師の判断によるマニュアル画像照合による位置ずれの補正に切り替えた。
ずれが大きい状態が継続したためMU値が適切かどうかの確認のための再計画を実施し以降はその再計画を用いて治療を行った。
【考察】精巣部照射には骨による自動位置ずれの補正は不適だったがCBCTによる補正を用いた治療は非常に有効であったと考えられる。

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【64】椎体骨転移に対するCRT-GOS法(Conformal Radiation Therapy with Gravity Oriented Shield)のsetup errorに関する検討

○ 松嶋正則、大平洋太郎、米田 剛、米沢辰男、田中利恵1)
武村哲浩1)、菊池雄三1)、林 直樹2)、内山幸男3)
黒部市民病院・中央放射線科
金沢大学大学院・医学系研究科1)
名古屋共立病院・放射線外科センター2)
岐阜医療科学大学保健科学部・放射線技術学科3)

【目的】本研究は,吸引式固定具を用いたCRT-GOS法のsetup errorを解析し,その精度について検証する.
【方法】検討対象は,CRT-GOS法により椎体部を治療した8症例とした.照射前後に正側のportal imageを撮影し,骨構造をランドマークとする3次元方向の照合を行い,systematic setup errors及びrandom setup errorsについて解析した.
【結果】患者群における修正前後のsystematic setup errorsのmean±1SDは,いずれの方向も誤差分布の広がりは縮小した.systematic setup errorsのSDは,左右,背腹,頭尾方向の順に,Σ-interは0.40,0.51,0.46[mm],Σ-intraは0.54,0.31,0.38[mm]であった.random setup errorsのRMSは,σ-interは0.85,0.78,0.72[mm],σ-intraは0.74,0.73,0.88[mm]であった.
【結語】固定具を使用したCRT-GOS法は,良好なセットアップ精度と再現性が示唆された.

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【65】呼吸停止下定位放射線治療における胸腹部2点測定式呼吸モニタリング装置(Abches)の有用性の検討

○ 北川雅康、武村哲浩1)、青山将士、佐々木美絵、菊池雄三2)
坂上利造2)、米沢芳美2)、室谷与志文2)
金沢大学医学部保健学科
金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻1)
小松市民病院2)

【目的】胸腹部臓器の放射線治療で大きな問題となる呼吸性移動を無くすために呼吸停止法が用いられている.この呼吸停止を補助する装置として,胸腹部2点測定式呼吸モニタリング装置(エイペックスメディカル株式会社製Abches,以下Abches)を使用している施設が近年増えてきた.しかし,Abchesが再現している動きは胸壁と腹壁の動きであるため,本研究ではAbchesによる腫瘍位置再現性について検討した.
【方法】胸腹部臓器の放射線治療をおこなう上で,リニアックCTのCT部で治療の前後にAbchesを用いて呼吸停止下で撮影した画像をレトロスペクトルに収集し,腫瘍位置の誤差を解析した.
【結果および考察】治療前後での腫瘍位置のずれは2 mm程度であり,Abchesによる簡便な方法で高い腫瘍位置再現性が得られた.

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【66】abchesを用いた肺癌治療における呼吸停止位置誤差による線量分布への影響

○ 太郎田 融、 石黒 充、 三浦 淳也、 長谷川 拡平、 光田 幸彦1)
大西 寛明1)、 青木 徹哉2) 高仲 強3)
浅ノ川総合病院 定位放射線外科センター
浅ノ川総合病院 脳神経外科1)
なりわクリニック2)
金沢大学放射線治療科3)

【背景】abchesを用いた照射において呼吸停止位置は常に同じであることが前提となっている。しかし1fractionの照射において数度呼吸停止を行うが、すべて同じ位置での停止は困難である。
【目的】各門ごとのtarget停止位置の違いによる線量分布への影響を検討した。
【方法】肺想定空洞ファントムに対し数門の治療計画を作成する。ファントム内におけるtarget部分にフィルムをセットし、各門ごとにtarget(フィルム)を移動させ照射を行う。この際の移動範囲はabches使用症例でのCT画像を基に、呼吸停止ごとのtargetの位置より算出した。
【結果】targetの位置誤差は1.0mm以内であり、ファントム内のtargetを±1.0mm移動させた結果、線量分布に影響は無かった。
【結論】abchesを用いた呼吸コントロール下での治療における呼吸停止位置誤差は線量分布に影響を与えない。

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セッション12 治療3 67〜72 11:00〜12:00
座長:金沢大学医学部附属病院放射線部 小路 佐織

【67】高エネルギー放射線が植込み型除細動器に与える影響

○ 木田 浩介、柴田 永利子1)、若田 鋭樹2)、平子 貴雄2)
渡邉 健二2)、内田 守彦2)、山添 智2)
名古屋大学医学部医学系研究科医用量子科学専攻
春日井市民病院臨床工学技術室1)
春日井市民病院放射線技術室2)

【目的】今回我々は、直線加速器のX線を埋込型除細動器(以下ICD)に直接照射し、その影響を調査検討する機会を得たので報告する。
【方法】水等価固体ファントム上に載せたICDに直線加速器で発生した4MVのX線をSTD法により直接照射し、照射中のICDの状態を観察した。
【結果】ICDはX線が照射されるとほぼ同時に、心内心電図感知回路が誤作動を起こしarrestの状態となり、ノイズを心室細動として感知したと思われる0.1Jの直流除細動通電をきたした。
【考察】使用されているCMOS回路内半導体の空乏層においてパルス状のX線による電離がおき、電流が流れることでパルス状のノイズが形成され、パルスの間隔が短いためpile-upが起き、電圧が高くなった連続するノイズが影響して心室細動と誤感知し、直流除細動通電をきたしたものと考えられた。

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【68】右側乳房接線照射がペースメーカーに及ぼす影響

○ 穂満 華香、 齊藤 泰紀1)、 江上 和宏1)、 田野倉 亮、 加藤 正直1)
伊藤 美由起1)、 小林 英敏2)、 加藤 秀起
藤田保健衛生大学大学院 保健学研究科
藤田保健衛生大学病院 放射線部1)
藤田保健衛生大学 医学部2)

【目的】右側乳房接線照射を施行するにあたって、ペースメーカーに与える線量について測定を行い、ペースメーカーの誤作動等の防止を図る。
【方法】左鎖骨窩の皮膚面および照射野内の皮膚面、ペースメーカー部分にガラス線量計を貼り付け、吸収線量の測定を行った。また、乳房接線照射を行った際の左鎖骨窩皮膚面の線量とペースメーカー部分線量から、皮膚面-ペースメーカー部分線量変換係数を算出した。
【結果】1回の照射でペースメーカー部分にあたる吸収線量は14.82〜23.63mGyで、平均17.34mGyであった。
皮膚面-ペースメーカー部分線量変換係数は0.793であった。
【考察】放射線治療においては他の放射線診断機器と比較して1回線量が2.0Gyと大幅に高くなっているので、心電図を装着しモニタリングを行い、治療を施行する等の注意が特に必要である。

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【69】舌癌小線源治療における歯科用インプラント周辺の散乱線のシミュレーション

○ 森下祐樹、 小山修司、 内藤宗孝1) 後藤賢一2) 奥村信次2)
名古屋大学医学部保健学科
愛知学院大学歯学部歯科放射線学講座1)
愛知学院大学歯学部附属病院放射線技術部2)

【目的】近年、歯科の治療で、歯科用インプラント(純チタン)を用いた方法が行われている。舌癌の放射線治療の際に、インプラントからの散乱線が、周囲に影響を及ぼす可能性がある。そこで今回、198-Auグレインを永久刺入すると仮定して、モンテカルロコードEGS5を用いてインプラント周囲の散乱線について調べる。
【方法】数学ファントムとして,下顎部の組織・構造を簡略化したジオメトリを作成し、舌部に8個のAu-198グレインを模した線源を配置した。インプラントは第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯の3箇所に配置した。インプラント体周囲で沈着したエネルギーを取得し,インプラントがあるときとないときでの比較を行った。
【結果】沈着エネルギーの値は、第二大臼歯遠心側で最も差異が大きく、インプラント体がある場合8%程度の増加があった。他の取得領域での差異の平均は、約4%であった。

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【70】粒子線治療におけるPHITSの有用性

○ 戸松 弘孝、向山 隆史、 加藤 秀起1)、 有田 豊2)
藤田保健衛生大学 大学院 保健学研究科
藤田保健衛生大学 医療科学部 放射線学科1)
藤田保健衛生大学 医療科学部 臨床工学科2)

【目的】近年増加の傾向にある重粒子放射線治療への粒子・重イオン汎用モンテカルロコードPHITS(Particle and Heavy Ion Transport code System)の有用性を調査・検討した。
【方法】パーソナルコンピュータを使用しPHITSにて陽子線(150MeV190MeV230MeV)と炭素線(320MeV)における深部線量曲線のシミュレーションを行った。これを兵庫県立粒子線医療センターにおける実測データと比較した。
【結果】陽子線・炭素線共にブラッグピークが得られたが、わずかに測定結果と違いがみられ、陽子線の結果より炭素線の結果の方が違いは大きくなった。

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【71】リニアック残留放射線の測定(1)各種照射条件における測定結果

○ 青山貴洋、鈴木友輔、高橋礼紀、加藤秀起、福間宙志1)
磯山茂1)、川野誠1)
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科
名古屋市立大学病院中央放射線部1)

【目的】近年、リニアックの高エネルギー化に伴い、光核反応により放射化したターゲットからの残留放射線による被曝が危惧される。今回我々は光中性子の(n、γ)反応によって生じる残留放射線の測定調査を行った。
【方法】照射直後にアイソセンタの位置にサーベイメータを置き、残留放射線量率の時間的変化を計測した。ソフトウェアはVisual Basic ver.6を用いて作成した。アイソセンタの他にも、技師が実際に業務を行うであろう位置での測定も行った。また連続照射後の計測、照射後コリメータを閉じての計測、線量率の違いによる計測など様々なパターンで計測を試みた。照射はすべて1分間とした。
【結果】技師が放射線治療室内で業務を行う時間を1人の患者につき10分とし、被曝線量を求めた。300cGy/minと600 cGy/minで照射を行い被曝線量を比較すると、600 cGy/minの方が約1.85倍となった。連続照射では1回目と5回目を比較すると、5回目が約1.45倍となった。

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【72】リニアック残留放射線の測定(2)放射化核種の同定

○ 鈴木友輔、青山貴洋、高橋礼紀、加藤秀起、福間宙志1)
磯山茂1)、川野誠1)
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科
名古屋市立大学病院中央放射線部1)

【目的】近年、リニアックの高エネルギー化に伴い、光核反応により放射化したターゲットからの残留放射線による被曝が危惧される。我々は光中性子の(n、γ)反応によって生じる残留放射線の測定調査を行い、物理的解析を行ったので報告する。
【方法】照射直後にアイソセンタの位置にサーベイメータを置き、残留放射線量率の時間的変化を計測した。ソフトウェアはVisual Basic ver.6を用いて作成した。装置のターゲット材質から反応核種を推定し、核種の物理的データから減衰曲線を作成した。作成した減衰曲線をその核種の測定への寄与割合等を考慮して合成関数を作り測定データとの相関を比較した。
【結果】ターゲット材質が銅の場合、主に64-Cuと66-Cuの減弱曲線の合成関数が測定データと良い相関を示した。両者の基となる安定同位体の存在比は66-Cuの方が2倍近くあるが、64‐Cuの方が放出されるγ線エネルギーが高いため、寄与の割合が高い事が推測された。

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11月24日(月) 第3会場

セッション13 画像3・モニタ 73〜76 9:00〜9:40
座長:豊橋市民病院医療情報課 原瀬 正敏

【73】多階調ディスプレイのコントラスト分解能評価

○ 渡邊翔太、横井知洋2) 森岡祐輔、 岩田裕太、 中垣内雅弥
市川勝弘1)
金沢大学医学部保健学科
金沢大学医薬保健研究域 保健学系1)
金沢大学大学院医学系研究科2)

【目的】256階調ディスプレイと新しく開発された多階調(1276階調)ディスプレイ(TOTOKU社製)において,視覚的な低コントラスト円形信号の視覚的検出試験により,コントラスト分解能を比較する。
【方法】二つのディスプレイにて円形信号の径とコントラストを変化させて表示し視覚的検出率試験を行った。コントラストは256階調のDigital Drive Level(DDL) 1.0によるコントラストを基準とした。また、グラディエーションのついたコントラスト2.0の円形信号を両ディスプレイで比較観察した。
【結果】256階調で表現不可となるDDLコントラスト0.7では,多階調は60%程度の検出率を示し,多階調ディスプレイの有用性が示唆された.しかし,0.4以下では,急激に検出率は低下した。グラディエーションのついた円形信号は256階調では階段状の画像を呈し、多階調では正確に表示されることが確認できた。

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【74】電子カルテ表示用液晶モニタの輝度特性評価

○ 三井貴司、 津坂昌利、 中島由加里、 寺本篤司1)
名古屋大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
藤田保健衛生大学医療科学部1)

【背景】医用画像の電子化に伴い,液晶モニタの需要は益々高まっている.ここでは電子カルテ画像表示用カラー液晶モニタの階調特性を比較検討した.
【方法】DICOM GSDF表示機能を持つ2Mpixcel の電子カルテ画像表示用液晶モニタS2100-M:9台,MX-210:1台(ナナオ製)を使用して輝度特性を評価した.10台の階調特性の変化,経年変化による劣化等を評価した.
【結果】10台のモニタの最大輝度にはややばらつきがあった.S2100-MはBrightnessの調整で輝度を揃えることはできる.輝度曲線の形状はGSDFになっており階調の変化はなかった.MX-210は医療用モニタと同様に輝度校正も可能であった.
【考察】医療用液晶モニタにおいて輝度特性は最も重要な項目の1つで,臨床における画像診断では考慮されるべきである.電子カルテ画像表示用モニタにおいても品質管理は必要と考える.

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【75】5Mグレア及びアンチグレアモニタの視覚評価‐物理特性との対応‐

○ 嶋田 直美、新美 孝永、 澤田 道人1)、 橋本 憲幸2)
名古屋第二赤十字病院 医療技術部放射線科
元安城更生病院1)
ナナオ 映像商品開発部2)

【目的】映りこみのない環境下で評価した場合、グレア(G)モニタはアンチグレア(AG)モニタに比べ検出能が優れるとの報告がある。今回、実際の読影環境で両モニタの視覚的な検出能を測定し、事前に行った物理特性(MTF、WS)との対応を検証した。
【方法】両モニタ(輝度450cd/m2)に異なる撮影条件の3パターンのCDMAMファントム画像を順に表示し、臨床読影環境下(照度156lx)にて、乳腺外科医1名、診療放射線技師12名による観察を実施した。観察結果よりC-Dダイアグラムを作成し、そこから計算されるIQF、座標面積からモニタの検出能を測定した。
【結果及び考察】C-Dダイアグラムから計算されるIQF、座標面積は、GモニタAGモニタとも物理特性でみられた差を確認することはできなかった。通常の読影環境下では両モニタに視覚的な差はなくGモニタの特性を生かしきれないことが判明した。

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【76】高精細モニタにおける外光補正の有用性

○ 高橋 督、鈴木 貴之、平井 佑典、服部 広和、阪野 寛之
奥田 保男1)
岡崎市民病院 放射線室
岡崎市民病院 情報管理室1)

【目的】医用画像表示モニタの品質管理に関するガイドラインには、「測定は外光を含まない状態で実施する」とあるが,通常の読影環境を考え,外光を含んだ環境での管理の必要性について調査を行った.
【方法】TG18QCパターンにある<QUARITY CONTROL文字>の判断できる文字範囲求める。暗室下で不変性試験を行ったものは暗室環境と読影環境で、外光補正をして不変性試験をしたものは読影環境にて目視Checkを行う。
【結果】暗室で不変性試験をしたモニタは、読影環境で背景が白色の場合は有意な変化が無いが、背景が黒色の場合は1から2ステップ見え方が低下する。外光補正したものは,読影環境において背景が黒色の見え方が同等もしくは、1から2ステップ向上する。
【考察】モニタ自体のハード的な不変性管理を行うには暗室で行う必要があるが、読影環境での描出能を考慮すると,外光を含めて不変性試験を行う必要がある。

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セッション14 撮影1 77〜81 9:40〜10:30
座長:福井赤十字病院放射線部 上坂 大輔

【77】デジタルX線画像装置によるX線管焦点測定

○ 池田 和馬(B4)、川岸 史和(B4)、萬濃 拓朗(B4)
宮田 敦史(B4)、中西 左登志、 伊藤 守弘1)、 難波 一能2)
永澤 直樹3)、 北野 外紀雄3)
鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 放射線技術科学科
中部大学 生命健康科学部 生命医科学科1)
とうかい整形外科かわげ2)
三重大学 医学部附属病院 中央放射線部3)

【目的】イメージングプレートを用いたX線管焦点測定については阿部らが詳細に報告している(日本放射線技術学会雑誌No.60pp1132-1138)。ここでは受像系の方向依存性に着目し,基礎実験を行った。
【方法】公称実効焦点サイズ0.6mm×0.6mmのX線管とCXDI-50G(Canon)を用いてKYOKKOX線チャートType-1の2倍拡大撮影を行い,チャートとFPDの長軸を一致させた状態からFPDを15°間隔で回転させ,90°までの7画像を撮影し,ハードコピー上で細線の目視評価を行った。
【結果】どの方向についても2LP/mmが限界空間周波数となり,実効焦点サイズは1.5LP/mm(焦点サイズ換算0.67mm)から2.5LP/mm(焦点サイズ換算0.4mm)の間に存在し,公称値と一致した。
【結論】今回用いたFPDのサンプリングサイズは160μm×160μmであったが,サイズの異なるFPD装置またはCR装置を借用した方向依存性の確認を今後の課題としたい。

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【78】システム感度値(S値)の臨床的信頼性 ―腹部撮影からの検証―

○ 真野 晃浩、 浅井 美紀
名古屋第二赤十字病院 医療技術部 放射線科

【目的】我々はファントムデータからシステム感度値(S値とする)を撮影線量の判断基準(線量評価指標)に用いる問題について報告を行ってきた.その結果この値の信憑性がないという見解にいたった.しかしあくまでファントム実験での見解であり実際に人体を撮影した値については検証を行っていない.そこで今回 約300例の腹部撮影で得られた結果(明らかな病変や造影されているものは除外)を基にS値を線量評価指標とした場合の問題について検証を行った.
【結果】腹部厚とS値との関係は腹部厚22cmでS値の平均180.9標準偏差33.02同一撮影条件でもS値が110から252の範囲と最大2.3倍の差があった.
【結論】臨床データから得られたS値は統一性がなく線量評価指標としては使用できないことが明らかとなった.臨床現場では,S値から線量を判断する傾向があるが,S値を用いての判断は実施してはならない.

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【79】手根管撮影における手根骨の位置関係と最適入射角度の検討

○ 別所 貴仁
董仙会 恵寿総合病院

【目的】経験の浅い技師にとって,手根管撮影は困難な撮影の一つである.そこで今回,手根管軸位像における手根骨の見え方と重なりの程度を理解し,手根管が最もよく見える最適角度の検討を行った.
【方法】健常ボランティアを対象に3D画像を作成するため,手根管軸位像として手を90度背屈させてCT撮影を行った.手背屈90度の状態を一定とし,前腕に水平な面を0度として,軸位像を垂直方向から観察した.また,第3指を基準として撓屈,尺屈の変化を加えた.
【結果・考察】入射角度が浅いと手根骨の中途半端な重なりのため手根管が明瞭に描出されなかった.逆に入射角度が深いと中手骨と手根骨が重なってしまい,手根管が明瞭に描出されなかった.有鉤骨鉤が他の手根骨と重ならずはっきり見え,有頭骨と月状骨がちょうど重なる入射角度が最も手根管の描出に適していると考える.

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【80】高齢者の片脚立位膝関節正面撮影における荷重の検討

○ 白石 晴彦、 平井 智徳、 水谷 偉俊、 栗山 太一、 高木 裕一
蝦名 賢一、 山田 聖太
伊藤整形・内科クリニック

【目的】高齢化が進み、筋力低下、四肢の変形を伴う患者が増え、従来の片脚立位膝関節正面撮影では、高齢者の苦痛や、危険を無視した撮影であった。そこで高齢者における荷重負荷について検討したので報告する。
【方法】当院における片脚立位時と両脚立位時の両側荷重のバランスを重心動揺計にて測定した。
また、補助具として手すりを使用する場合に前方に捕まる場合と後方に捕まる場合での体重の変化を体重計で測定した。そして各年齢、性別における臥位、両脚立位、片脚立位を撮影し、FTA、内・外側間隙を測定した。
【結果】片脚立位時には、片脚に体重の約90%の負荷がかかっていることがわかった。手すりに捕まる場合、前方で約2〜3%の荷重ロスがあり、後方で8〜14%の加重ロスがあった。FTA、内・外側間隙は70歳を過ぎる頃から両脚立位、片脚立位での変化がなくなった。

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【81】当院での一般撮影における再撮影率の検討

○ 山本幸美、 土肥樹夫、 宮下正己
福井県立病院

【目的】現在医療分野では放射線診療は欠かせないものであり、我々診療放射線技師は、常に医療被ばくの低減に努めなければならない。そこで、医療被ばく低減の一つである再撮影の減少を目的とし、今回当院での再撮影率の統計を取り分析を行う。
【方法】
1.新病院移設から現在に至る3年間の再撮影の件数を、再撮影率を算出する。
2.旧CRシステムにおける再撮影率との比較を行う。
3.現システムにおける再撮影原因を12項目に分け再撮影率を算出する。
4.各年度における、月別での再撮影率を算出する。
【結果】フィルムレスによる現CRシステムの再撮影率は減少した。また、その中でも撮影条件不良による再撮影は激減し、画像処理不良による再撮影については、一切なくなった。
よって、CRシステムを変更したことによって被ばく低減に寄与したと言える。

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セッション15 撮影2・マンモ 82〜85 10:30〜11:10
座長:ヨナハ総合病院 近藤 偲瑞子

【82】デジタルマンモグラフィの品質管理基準の検討

○ 小柳 仁美、黒田 ひとみ、清田 実、堀田 勝平
愛知県がんセンター中央病院 放射線診断・IVR部

【目的】デジタルマンモグラフィの品質管理を実施する上で画質と線量が合格する撮影条件と管理基準が必要となる。そこで画像基準を満足する撮影条件と撮影装置の仕様基準に即した品質管理基準値の検討を行なった。
【方法】デジタルシステムは、CR1社、DR2社について検討を行なった。管電圧を26kVから30kV、mAs値を60mAsから100mAsまで変化させ、富士フィルム社製の1shot phantom M plusを撮影し、システム感度、CNR、低コントラスト分解能、ダイナミックレンジなどの変化率を分析し、精中委の合格基準を満たす撮影条件とその時の管理基準値を求めた。
【結果と考察】管電圧とmAs値が変化した時の、各評価項目の変化率を分析し、精中委の合格基準を満たす撮影条件と管理基準値を求めることが出来た。デジタルマンモグラフィの導入時には、読影モニタを含めた合格基準と管理基準値の検討が必要と考える。

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【83】デジタルマンモグラフィにおける線質特性の検討

○ 藤田 咲貴、中曽 裕子1)、 小山 修司、 小柳 仁美2)、 黒田 ひとみ2)
堀田 勝平2)、 高村 美穂3)
名古屋大学 医学部保健学科
名古屋大学大学院 医学系研究科1)
愛知県がんセンター中央病院2)
東芝メディカルシステムズ株式会社3)

【目的】デジタルマンモグラフィの異なったX線変換方式について、線質・線量の違いによるCNRを調べ、適正な撮影条件を検討する。
【方法】異なる受像系DR2社、CR2社についてファントム厚、管電圧、mAs値、ターゲット/フィルタ材質を変化させた時のCNRの変化をEUREF法によって測定した。同時に平行平板型電離箱線量計により照射線量を測定し、線量とCNRの関係を求めた。
【結果】各システムとも線量が増えるとCNRは上昇し、ファントムが厚くなるほどCNRは急激に低下した。また、DRはファントム厚に関係なく線質が硬くなるほどCNRは上昇したが、CRはファントム厚によってCNRが高くなる線質が異なっていた。
【考察】CNRは、各システムともAUTOモード設定より管電圧で6〜8kV高い線質が最も高くなる結果となった。今後は、低コントラスト分解能を検討し、アナログシステムより硬い線質が画質向上となるか検討が必要と考える。

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【84】デジタルマンモグラフィにおける適正な画質と線量の検討

○ 中曽裕子、藤田咲貴1)、 小山修司1)、 小柳仁美2)、 黒田ひとみ2)
堀田勝平2)、 高村美穂3)
名古屋大学大学院
名古屋大学医学部保健学科1)
愛知県がんセンター中央病院2)
東芝メディカルシステムズ株式会社3)

【目的】デジタルマンモグラフィの適正な撮影条件をCNR(Contrast to NoiseRatio)から求めた結果、既存の管電圧設定より、6〜8kV高いものが良い結果となった。ここでは、画質評価ファントムの評価結果とCNRの結果との相関性を検証する。
【方法】CDMAMとRMI156の両ファントムにつき、ファントム厚、管電圧、mAs値、ターゲット/フィルタ材質を変化させ撮影し、得られた画像を5Mの高精細モニター上で評価した。評価は、CR装置1社、DR装置2社について行った。
【結果】CNRの結果と同様にCDMAMファントムによる低コントラスト分解能評価においても既存の管電圧設定より、6〜8kV高い管電圧が良い結果となった。RMI156の評価結果は、既存の管電圧設定と、それより高い管電圧で有意差はなかった。各受像系の最適な画質と線量が求められた。
【考察】今回は、未処理画像による評価であり、画像処理によってさらに画質向上と線量低減を図る検討が必要である。

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【85】乳房用X線装置における新CRシステムの線量検討

○ 小野田彩子、松田 耕、浜本 千草、山添 葉子、成久 加奈
国家公務員共済組合連合会 名城病院 放射線部

【目的】当院では、平成19年からFuji社の両面集光式(HR-BD)のマンモグラフィCRシステム(FCR PROFECT CS:50μm読取)が新しく導入された。新システム導入以前まで使用していた同社片面集光式(HR-V)のCRシステム(FCR 5000H:100μm読取)との画質評価を行うことにより、新システムにどれほどの画質向上が見られるのかを把握し、新システムの線量検討を行った。
【方法】両CRシステムにおける156ファントム画像評価と臨床画像評価を行うことにより視覚的比較を、また両CRシステムのデジタル特性曲線、WS、MTFを測定することにより物理的比較を行った。また、新システムの線量を変化させて画質評価を行い最適線量の検討を行った。
【結果】視覚的評価、物理的評価のいずれも新システムにおいて優位な差が見られ、線量の低減が可能であることが示唆された。

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セッション16 計測・防護 86〜90 11:10〜12:00
座長:大垣市民病院診療検査科 丹羽 文彦

【86】蛍光ガラス線量計による電子線測定の検討

○ 白崎 展行、嘉戸 祥介、吉田 寿、酒井 幹緒、利波 修一
富山大学附属病院 放射線部

【目的】蛍光ガラス線量計はラジオホトルミネセンスに基づく線量計でX線、γ線、β線、熱中性子線の測定が可能である。しかしメーカの仕様ではX線、γ線測定しか推奨されていない。そこで今回、蛍光ガラス線量計の電子線測定の可否について検討した。
【方法】
1. ファントムは水。
2. 各エネルギーの標準ガラスを作成しリーダを校正。
3. 基本特性とし1) 素子間の感度ばらつき、2)リーダの読取値再現性、3)線量依存性、4) 線量率依存性、5)エネルギー依存性について検証。
【結果】1) 素子間の感度ばらつきは変動係数3%以内。2)リーダの読取値再現性は変動係数1%以内。3)線量依存性は直線性がみられた。4) 線量率依存性は大きな変動はなかった。5)エネルギー依存性は4〜15MeVの範囲ではなかった。
【考察】X・γ線の基本特性と大きな誤差はなく電子線測定が十分使用可能と考えた。また絶対測定では電離箱線量計と比べ誤差が大きく不向きであるが、相対測定には有用である。

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【87】内視鏡併用検査における被ばく低減

○ 谷嶋 良宣、 寺本 光義、 宮下 正巳、 土肥 樹夫
福井県立病院 放射線室

【目的】被ばく低減に関して、防護衝立や天吊の防護版の重要性を2000年、2001年に発表している。新装置導入における被ばく低減の有用性を報告する
【方法】
1.内視鏡併用検査の件数、検査時間の調査
2.防護衝立、防護版の使用時、未使用時の散乱線測定
使用機器
装置     日立VERSIFLEX(動画対応Cアーム型FPD-DR装置)
ファントーム Mix-D 20cm
測定器    アロカサーベイメータ ICS-311
X線防護衝立  天吊り式X線防護衝板
【結果】
1.内視鏡併用検査はカテーテルやステントの発達もあり、患者のQOLに重要性を増している。透視時間は増加する傾向である
2.防護柵なしの散乱線測定では医師の立ち位置(ファントーム中心より75cm、高さ150cm)で1mSv/hであった。X線防護衝立および天吊り式X線防護衝板を使用した場合、同位置で0.02mSv/hであった。
【結論】術者(医師)、検査に従事する内視鏡看護師の被ばくはより減少した。

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【88】X線診断時に患者が受ける線量の評価確認

○ 鈴木昇一、浅田恭生、 小林謙一1)、 伊藤祐介、 佐藤史奈
高田憲昭、 渡邊雄太、 小椋美紀1)、 能登公也2)
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科
藤田保健衛生大学病院放射線部1)
金沢大学医学部附属病院放射線部2)

【目的】日本放射線技術学会の平成20年度「X線診断時に患者が受ける線量の調査研究」の一環として、患者線量推定に対してその精度を確認するために個体検出器を使用して線量確認を試みる基礎実験を行った。
【方法】ルクセルバッジを使用して、空中におけるカーマを測定した。線量は胸部(125kV、320mA、6.3mAs)、腹部条件(80kV、250mA、25mAs)として、電離箱線量計を使用して、ルクセルバッジと相互比較した。線量評価のため曝射回数は1回から10回までとした。線質を得るために非接続式アナライザーを使用した。ルクセルバッジの線量は−は、空気カーマとした。測定結果と電離箱線量計の値を比較した。
【結果】線量は胸部、腹部条件とも1回当たりの線量は安定しておりすべて10%以内で一致した。線質については胸部でやや差が生じた。線量確認として十分利用可能であることが判明した。

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【89】防護エプロンの品質調査

○ 奥田 清仁、 岡田 富貴夫、 横山 龍二郎
岐阜大学医学部附属病院

【目的】近年購入した防護エプロン(以下プロテクター)が始業点検時に亀裂を発見した。血管造影室で使用されているプロテクターは1989年から2008年までであるため改めて品質管理を見直すために新規購入したプロテクターを基準として亀裂による診療従事者の被ばくがあったか、経年劣化による性能差があるかを検証した。
【方法】プロテクターそれぞれの製造年月、鉛当量、材質、製造メーカを調べ目視、触知、透視にて確認し日本工業規格(JIS)に制定された不変性試験X線防護類JIS Z4752−2−8規格に準じて新規購入したプロテクターを基礎値とし比較した。【結果】亀裂による被ばくはないと考える。基礎値と30%以上の性能差は1990年購入の1枚だけであった。
【考察】プロテクターの管理を改めることでJIS の定めるところの基礎値を保管し定期的にプロテクターの性能試験・管理をやっていきたいと考える。

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【90】緊急被ばくにおける二次被ばく線量の検討

○ 向山隆史、戸松弘孝、 青山貴洋1)、 鈴木友輔1)、 高橋礼紀1)
加藤秀起1)
藤田保健衛生大学大学院保健学研究科
藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科1)

【目的】原子力発電所で起こる汚染事故で医療施設へ搬送された患者を処置する時、医療スタッフの2次被曝を考慮する必要がある。この場合、汚染面積や汚染密度を正確に測定するのは、通常放射線技師の役割である。今回、モンテカルロシミュレーションを用いてこれらの事故による医療従事者の2次被曝の線量評価を行った。
【方法】原子力発電所で起こりうる汚染事故の核種としてCo-60、Mn-54、Fe-59などの腐食成生物がある。この中で最も線量に寄与するものはCo-60である。そこで、Co-60線源が人体に付着した場合の汚染場所から発生する医療従事者の2次被曝線量を評価するためにモンテカルロ法を用いて計算を行った。汚染密度、汚染面積のデータから、距離10〜200cmにおける医療従事者の2次被曝線量を評価した。
【結果】汚染密度、汚染面積による線量率の変化をチャートとして作成することができた。このチャートより簡単に線量率を求めることができた。

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